2020年1月2週振り返り(中東情勢について)


おはようございます!週間ではダウは0.66%高、S&P500が0.94%高と反発し、ナスダックは1.75%高と5週続伸しました。

先週も引き続きイランが話題となった週でした。イランのソレイマ二司令官の殺害を受けイランが報復措置を取り、週前半はリスクオフ。しかしトランプ大統領とイラン側どちらも戦争は望まずとのスタンスからダウは高値を更新しています。

分かりにくい中東情勢、少しまとめておこうと思います。まず中東はイスラム文化と言って良いでしょう。その中で分派がありイランはシーア派中心、サウジアラビアはスンニ派中心で敵対しています。イスラエルは唯一のユダヤ教国家でイランとは敵対していますが、敵の敵は味方ということでサウジアラビアとの距離は縮まってきています。

アラブの春によって中東では各国でデモが行われリビアではカダフィ大佐が殺害されるなど独立政権が転覆しました。その中で一番影響があったのが地政学的に不安定な地、シリアです。シリアではアサド政権を倒すという向きが広がり、政府側と反政府側で激しく内戦が行われました。

その後シリアの内戦の隙をついてISというテロ組織が台頭し、シリアとイラクをまたぐ地域を支配しました。政府側も反政府側も、つまり反政府側を支援している米国や政府側を支援しているイランも共同戦線を張りまずIS掃討にうごきました。

IS掃討が終わった後シリアではそれぞれの国の思惑が動く地となりました。まず米国が支援していたクルド人をトルコが牽制。イランは基地を作りイスラエルをけん制、米国は手を引き撤退。ロシアは中東の影響力を強めるためにアサド政権を支援。

現在イランは米国から経済制裁を受け厳しい立場にいます。その中心となるのが核開発です。特にイスラエルはイランの核開発をかなり警戒しています。念願のユダヤ教国家樹立したものの核一発でなくなるリスクを考えていると思います。

米国もイランの核開発に対して厳しい態度で見ており、オバマ政権時の核合意を離脱して、独自の経済制裁を行っています。イランの2019年実質経済成長率予測は-6%、失業率は10.9%、インフレ率は27%。イラン経済は実質的に破綻寸前です。

イランではガソリン値上げのデモの起きており、民衆の不満がたまっています。そんな中、国民に対して分かりやすい敵を作っておきたいイラン政府側は、ホルムズ海峡でタンカーを攻撃するなど米国にちょっかいを出しています。

またソレイマ二司令官殺害の報復措置は一旦は落ち着来ましたが、「イランで墜落したウクライナ機(ボーイング機)はイランによる撃墜の可能性がある」との各国の報道がカナダ中心に経済制裁に繋がるのではないかとの思惑もあります。

今後の行方はイラン政府がどうなるかだと考えています。経済制裁が続くことによりイランは疲弊していきます。民衆の不満がたまっています。その不満をコントロールできるのかそれとも政府転覆のようなことが起きるのか、注意深く見守る必要があります。

今週はこのくらいにしたいと思います。今週もお疲れ様でした。来週もよろしくお願いします!


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