2020年7月4週振り返り(コロナ禍におけるグローバリズム回帰)


おはようございます!週間では、ダウ平均が0.76%安、S&P500が0.28%安とともに4週ぶりに反落し、ナスダック総合は1.33%安と5月以来の2週続落となりました。

フラフラしている株式市場ですが、為替市場は明確なトレンドが生まれています。ドル安です。ドル指数は2年ぶりの安値。ユーロドルは21ヵ月ぶりの高値、豪ドル米ドルは15ヵ月ぶりの高値を付けています。これは何を示しているかというとまずは中国だと思います。中国経済の回復です。

オーストラリアは対中輸出割合が高く、ユーロ経済の中心のドイツも同様に対中輸出に頼っています。ドイツは、工作機械、化学、自動車を中国に輸出している国です。そして周辺諸国はドイツの下請けと考えても良いでしょう。つまり中国の需要が戻ってきていることを示しています。

加えてユーロは7500億ユーロの復興基金を成立させました。これは大きな意味があります。ユーロの歪みとは財政政策と金融政策が一致しないという事です。つまり金融政策はECBが、財政政策は各国政府が行っています。今回の目玉はユーロ共同債です。つまりユーロ全体として一つの債券を発行するという事です。

ブレグジットや昨年のイタリアの財政政策とユーロの軋轢、などユーロという共同体はその歪みにより、その存続の危機だったと言えるでしょう。しかしコロナ禍により、昨年とは違い、ユーロ各国が協調するようになりました。その象徴がユーロ共同債なのです。

まずフランスが動きました。そして倹約主義のドイツがフランスに説き伏せられ、そのフランスとドイツがオランダなどの反対派を説得しました。ユーロが一つになったのです。これはコロナ禍がなければ起こり得なかった事です。昨年までのナショナリズム、ポピュリズム、が変化してきていることを示しています。

ナショナリズム、ポピュリズム、の変化は米国の対中政策からも感じられます。トランプ大統領は中国に対して、主に関税を武器にプレッシャーを与えてきました。その政策に限界が生じたという事です。つまり米国一国では中国を抑えきれないという事実が伺えます。それはグローバリズム回帰の動きと言って良いでしょう。

中国は、香港国家安全法案に署名しその自治を脅かし、台湾を自国の領土と主張、そして南シナ海でいじめを行い、東シナ海で尖閣諸島を挑発、ウイグル自治区では人権侵害を行っています。これは国際社会では認められない行為です。特に香港国家安全法案をきっかけに中国に対して国際社会は警戒感を持ち始めました。

香港国家安全法案に対して先進国各国は懸念を表明してます。そして、米国だけでなく、英国、フランスもファーウェイ排除に動いたのです。また米日豪で補助金を出しアジア新興国にファーウェイを除外させる動きも出てきています。ここから何が言えるかというと、対中政策が米国一国からグローバリズムに変化してきているのです。

中国の思想は中華秩序というものに基づいています。つまり中国以外の国は中国の属国であり、中国は唯一の国家だという考えです。これに対して先進国は主権国家という思想の元成り立っています。つまり自国も他国もその主権を尊重するという事です。この思想の差に中国と先進国の大きな歪みが生じているのです。

私は民主主義の元、主権国家に生まれ育ちました。ですから、その中国の中華秩序という思想は受け入れられるものではありません。これはイデオロギーの問題なのです。ただ軋轢も望みません。その時々で折り合いを付けていってもらいたいと希望しています。特にこのコロナ禍で無駄なエネルギーを使ってほしくないのです。

今週もお疲れ様でした。今日はサロンのオフ会です。スペイン料理を食べに行きます。私はいつも前ノリして酒をたらふく飲んでいます。来週もよろしくお願いします。良い週末をお過ごしください。


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