2020年12月4週振り返り(激動の2年を振り返って)


私は2018年10月から米国市場動向をツイートし始め、2019年2月からオンラインサロンを始めました。それ以降相場見通しを、強気、ニュートラル、弱気、の3つの尺度で示してきました。今回はこの2年の集大成としてその変遷を解説したいと思います。

2019年2月1日、オンラインサロン開始時では相場見通しは弱気でした。理由はシンプルで、FRBがFF金利を2.5%まで引き上げたのち利上げを停止したからです。私の原則は『金利のピークは株価のピーク』です。

つまり、FF金利を引き上げられないくらい景気にブレーキを掛けたという事は、景気後退が待っているという理論のもとに弱気と判断しました。その後株価はフラフラしていましたが、長期金利は2018年10月の3.2%をピークに2019年8月には1.3%まで低下しています。

2019年8月30日、私は考えを改め、相場見通しをニュートラルに変更しました。ベースは『予防的利下げ』でした。通常FRBは景気の後退が確認できた後、金利を引き下げ始めます。しかし2019年7月からパウエル議長は、予防は治療に勝る、ミッドサイクルアジャストメントという名言を放ち、利下げを開始。

私はその効果を注意深く見守っていました。その当時のメイントピックは米中貿易戦争とブレグジットでした。そのブレグジットに関して、『合意なき離脱』の可能性が薄れた2019年9月5日に私は相場見通しを強気に変更しました。

その後2020年2月半ばまでその強気相場は継続しましたが、2020年2月18日に相場見通しをニュートラルに変更しました。理由はアップルが売上未達ガイダンスを発表したことでした。その当時まだコロナウィルスは中国だけの問題でした。しかしアップルの売上未達ガイダンスは二つの意味をなしていました。

一つ目はサプライチェーンの麻痺。つまり世界の工場の中国が動かなくなってしまう事。二つ目は中国の需要の低迷です。この二つの理由から、私は相場見通しをニュートラルに変更したのです。そして2020年2月24日相場見通しを弱気に変更しました。

インジケーターは二つありました。一つはアップル、マイクロソフトのバリエーションでした。その当時バブルを彷彿させていた、この二つのPERが急に低下したのです。これは何かが起こっていると感じました。そして長期金利が2019年のボトム1.3%を突き抜けて下回った事。これは決定的でした。

私はこれから景気後退が起こると判断したのです。そして1ヵ月にわたる株価の急落が起こりました。その当時、FRBは後追いでした。市場が要求する利下げに対応すべく緊急利下げを繰り返しました。しかしFRBが市場を追い抜いた事件が起きました。それが無限QEです。何でもやる、その覚悟を見たとき私は株価の回復の可能性を考えたのです。

その当時問題は2つありました。1つ目は圧倒的なドル不足、2つ目はマージンコールによる換金売りです。1つ目はドル不足により、為替にドル買いが起こりドル高になった事です。その当時私は、ポンドルと豪ドル米ドルのチャートのボトムを探っていました。

そしてマージンコールによる換金売りとは、レバレッジの解消とも言えました。ヘッジファンド等が保有株式の含み損により全ての資産を売る必要に迫られ、本来買われるべき債券や金さえも売られてしまったという事です。ここで私が注目したのは金の動きでした。

そして、ポンドル、豪ドル米ドル、金、の3つの資産がボトムを示した2020年3月24日に10年に1度の買い場とし、私は相場見通しを強気に変更したのです。つまりその時のインジゲーターは株価ではありませんでした。そして、その後株価は回復を辿り、現在に至っています。

その間セクターローションはしています。2020年5月13日にナスダックに強気になったり、2020年8月2日に新興国に強気になったり、2020年11月5日に日本株に強気になりました。しかし強気自体は今後7年ほどは変更しないと考えています。

これから長い金融相場が始まります。金融相場が終わった後は業績相場です。その業績相場のピークはやはりFF金利がピークになった後です。つまり相場はサイクルなのです。今そのサイクルのどの位置にいるかを把握することが相場見通し立てる事と同意です。

そしてそれを把握する為には、日々ニュースを追い、インジゲーターを探す作業が必要です。つまり日々の努力という事です。今回はこの激動の2年を振り返り、私の相場見通しの変遷を示しました。私はこれからも相場を見続け、努力を重ねます。そこにマーケットがある限り。


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