おはようございます!週間ではダウ平均が1.17%高、S&P500が1.50%高、ナスダック総合が2.18%高となり、主要3指数がそろって2週続伸しました。
注目の5月雇用統計、非農業部門雇用者数は13.9万人と予想13.0万人を上回るも前回14.7万人を下回りました。失業率は4.2%と予想4.2%前回4.2%と一致しています。前回の非農業部門雇用者数が下方修正しており、インラインと言った感じでした。ただISM製造業景況指数やISM非製造業景況指数が悪化したこともあり、思ったほど悪くなかったと言うのが実感です。
それを受け株価は好感、金曜日のS&P500の終値は6000ポイント丁度となりました。但し私はそろそろ株価上昇も限界だと考えています。それは長期金利の上昇です。長期金利は4.5%を上回りました。一方S&P500のPERは21倍を超え、割高に思えます。株価は金利7割業績3割です。となればそろそろこの辺が一旦の株価のピークだと考えるのです。
今後の株価は金利を睨む展開だと思います。指標が良かったとしても金利が上昇し、株価が下落するでしょう。また指標が悪かったとしても、この金利水準なら株価は下落する可能性が高いです。つまり金利が下がらない限り、株価はジレンマを抱えるのです。更にCPIなどの物価指標は数値が高ければ高いほど金利も上がります。そしてその物価指標は関税により上昇するでしょう。
それに対してFRBは利下げできる状況ではありません。まずインフレ率がインフレターゲットの2.0%にまだ遠く、更に関税の影響が不透明だからです。となればFF金利4.25%では経済統計は物価指標以外は悪化する可能性が高いので、やはりこの辺が一旦の株価のピークと考える訳です。トランプ大統領は頻りにパウエル議長に利下げを求めています。
中銀の独立性という重要な点を考慮しないとしても、彼の意見は間違っています。FRBの2つの命題は、雇用の最大化とインフレの安定であり、その矛盾する2つの命題をバランスよくコントロールすることです。今失業率は4.2%、完全雇用と言えるでしょう。ただインフレ率はインフレターゲットの2.0%を超えています。つまり調整すべきはインフレ率なのです。
トランプ大統領は焦っているのでしょう。このまま関税の影響で景気が悪化するのは確実です。悪化してその責任を問われることを恐れていると考えています。また景気が悪化した場合の責任転換をするつもりでもいるのでしょう。いずれにせよトランプ大統領はFRB議長を解雇するつもりはないと言いました。となればパウエル議長は粛々と彼の仕事をするはずです。
最後に中銀の独立性について、トランプ大統領の発言が反面教師になります。国民の支持率を上げたいがためにインフレを無視して利下げを要求する、何故なら任期は4年しかないからです。その間が終わったらインフレがどうなろうと構わないのです。それを防ぐために中銀の独立性があります。ただしトルコや日本に中銀の独立性があるのかは疑問ですが。
今週もお疲れさまでした。今週は家でじっくり相場を見ていました。金利が上がらなければ相場見通しを中立に変えるか悩んでいたからです。今の所ホールドです。来週もよろしくお願いします。良い週末をお過ごしください。