おはようございます!週間ではダウ平均が2.47%安、S&P500が2.61%安、ナスダック総合が2.47%安と3指数がそろって大幅反落しました。
自分でも当たり前ですが予想できませんでした、5月21日に相場見通しを中立から弱気に戻したことを。そもそも5月14日に弱気から中立に変更ています。米政府の関税政策も落ち着き、AIへの投資の報道も後押ししナスダック100を追加し様子を見ようとしていた矢先です。その理由は明確で金利、特に超長期の金利上昇によるものです。それはいつも訪れる金利上昇とは明確に違いました。
日本の国債、つまりJGBが主導しているのです。JGBの30年利回りは3.2%程度、40年利回りは3.6%まで上昇しています。どちらも数年前までは1%程度でしたが、ここ最近急激に上昇しています。理由はムーディーズが米債を格下げした事や、石破首相がギリシャより財政が悪いと発言した事があたるでしょうが、いずれにせよ日本国の債務が注目される状況になっています。
そもそも日本の国債発行残高は約1260兆円とされていてGDPの240%にあたります。今まで問題視されていなかったのは日銀のYCCにより超長期の金利が抑えられていたからです。それが徐々に上昇して今の状況となりました。となると当然ですが利払いが増えます。現在の利払いは約11兆円、それが金利上昇によ数兆円単位で増えます。当然プライマリーバランスの黒字化も更に遠のきます。
悪循環なのです。本当に必要なのは緊縮財政ですが、政府は責任を取りたくない為しません。またYCC再開により金利を抑えたらインフレが加速します。つまり打つ手がないのです。では打つ手がないとどうなるのでしょうか、それは更なる金利上昇です。超長期の金利が1%上昇すると約30%程度債券価格が下落します。それは生保や銀行、特に資本力が弱い地銀のBSを棄損させます。
基本満期保有目的債券は評価減をされませんが、あまりに簿価と時価がかけ離れた場合は強制評価減といってBSとPLに損失を計上しなければなりません。そして今の金利水準はその水準です。その場合生保や銀行は強制評価減になる前に債券を売るという行動に出やすいです。つまり買い手不在の中JGBを売る可能性が高いのです。またBSが棄損する為、銀行は融資に慎重になる可能性が高いです。
更に金利上昇により不動産価格が下落する可能性もあります。またJGBで評価減を抱えた生保や銀行は新規に債券を投資する余力がなくなります。それはJGBだけでなく米債にも影響します。つまり今週起こった米20年債入札が不調だった理由もそこにあると推測されます。日本は今や米債の世界一の投資国となりました。その日本の金融機関の債券に対する購入余力が低下しているのです。
また米国も減税政策を進めており債務に疑問を投げかけられています。それは米国の長期の金利に対して同様の上昇圧力となります。いずれにせよ債券だけの問題ではありません。金利上昇により株式の魅力が下がります。株価は業績3割金利7割です。その金利が世界的に上昇圧力に晒されている訳です。ですから私は一旦また様子見をしたいと考え、相場見通しを変更したのです。
今週もお疲れさまでした。今週は比較的のんびり過ごしました。最近少し疲れていたのでゴロゴロしています。来週もよろしくお願いします。良い週末をお過ごしください。