おはようございます!週間ではダウ平均が68.05ドル安(-0.16%)、S&P500が0.47%安、ナスダック総合が0.27%安とそろって3週ぶりに反落しました。
今週はFOMCがありました。FF金利を4.25%で維持、コンセンサス通りの結果となっています。パウエル議長の発言も利下げは急がないとのことで一貫して様子見姿勢を崩していません。ただしマーケットは利下げを期待しており、7月、9月、そして12月までもを織り込んでいます。この乖離がどうなるかはインフレ次第です。そしてまず来週5月13日にはCPIが発表されます。
関税の影響がどの程度あるかを計る重要な指標です。経済指標は予想するものではありませんが、関税の影響は間逃れないと考えています。インフレが再燃したならば利下げは出来ないのです。マーケットは過度に楽観的になっていると思われます。ところで5月5日WSJに寄稿としてベッセント財務長官が投稿しています。内容はウォールストリートだけではなくメインストリートに繁栄をもたらすべきだと述べています。
その具体的な方法が、国際貿易の再交渉、2017年の減税・雇用法の恒久化、規制緩和、の3点になります。内容を詳しく見た限り矛盾点はなく良い文面でした。ただし方法が正しくても、そのやり方が間違っているのです。特に国際貿易の再交渉ですが、関税をいきなり何10%も上げる事が正当化するとは思えません。交渉とはお互いの落としどころを探る作業です。
一方的に関税を上げて、さて交渉、というのは愚の骨頂だと思います。それは今まで培ってきたグローバリズムの否定そのもので、米国の国際社会での信任が揺らぎました。つまり何が言いたいかというと、後からどう取り繕うと、致命的なミスを米国政府はしてしまったわけです。つまり米国の信認低下から中国を中心とする東側の躍進に繋がる構造となります。
さて、5月9日米英通商合意がなされました。関税が発表されて初の合意です。条件は英国の米国への輸出には基本10%が掛かり、それは2023年の2%未満から大きく上昇します。そもそも英国は対米赤字であり、更に英国の輸出全体に占める割合は16%です。つまり英国にとってはあまりダメージはなく、米国にとっても重要な案件ではありません。
それにも関わらず10%が適用されたのは今後の日本、EUには大きな打撃となっています。つまり10%はこれからの対米関税率の最低ラインなのです。マーケットは米英合意によってポジティブに反応していますが、それは甘いと考えます。またそもそも英国はEUを抜け、米国とFTAを目指していました。そんな国でさえ10%適応という事実は重いです。
つまり全ての国が10%以上の関税を適応されるならば、それ相応のサプライチェーンの変化も起こり、グローバリズムが縮小します。米国に目を向けると当たり前ですが、インフレ率が上昇します。つまりこの貿易戦争に勝者はいないのです。ベッセント財務長官が寄稿した内容とはかけ離れている行動だと思います。それが不都合な真実なのです。
今週もお疲れさまでした。今週は週末友達のライブイベントがあり、見に行こうと思っています。音楽を聴くのは好きなので楽しみにしています。来週もよろしくお願いします。良い週末をお過ごしください。