おはようございます!週間ではダウ平均が7.86%安となったほか、S&P500が9.08%安とコロナパンデミックの2020年以来の急落となり、ナスダック総合も10.02%安と急落。3指数がそろって大幅に2週続落しました。
今週は3月雇用統計等重要指標が発表されましたがその解説は割愛させていただきます。何故ならトランプ大統領が想定を上回る関税の賦課を発表しマーケットはショックを受けたからです。今回はこのトピックに関して掘り下げていきたいと思います。先ず事実関係として、関税率は想定以上で中国が34%、EUが20%、日本が24%等となっています。
一言で言えば常軌を逸しています。今まで我々が培ってきたグローバリズムを全否定しているのです。本来グローバリズムとナショナリズムは相反する思想ですが、バランスを保っていました。グローバリズムとは関税等の障壁をなるべく減らし、ヒト、モノ、カネ、の流れを流動化するという考えです。一方ナショナリズムは自国の利益を優先し、産業保護等に繋がります。
ただ二つの相反する思想はどちらが正しいとは言えません。ですからその二つの中庸を持って社会は成り立ってきました。しかし今回のトランプ大統領の関税政策は、先に述べた通りグローバリズムの否定です。しかも何を意図しているのかがイマイチ分かりません。始め交渉の手段として考えられていましたが、そうではなさそうなのです。
彼のロジックは良く分かりませんが、関税を賦課することに寄り国内産業の復活を目指しているようです。しかしそもそも米国はテクノロジーの国で、産業は衰退しています。しかも、既にサプライチェーンは蜘蛛の巣のようにグローバルに展開しており、今回の関税政策はその断絶を意味しています。簡単に言うとiPhoneが米国で値上がりするのです。
それはコロナショックの時に起きたサプライチェーンの断絶を人為的に行っていると同意です。当然インフレは再燃します。想定以上に再燃する可能性が高いです。此れをいつものショックとして眺めている人は鈍感すぎます。世界構造が変わってしまったのです、しかも劣悪な方向に。此れは起ってはならない構造変化なのです。
争いはあれど、世界は協調を目指してきました。それがグローバリズムです。勿論グローバリズムが最高の仕組みとも思いません。しかしながら、歴史が作って来たそのグローバリズムそのものの否定は過去その為に献身してきた先人たちの努力を踏みにじっています。その位の表現をしなければなりません。私は非常に懸念しています。勿論株価は下がるでしょう。
しかしそういうレベルの話をしているのではないのです。何故トランプ大統領にそのような権限があるのかが私には分かりません。彼に世界を壊す権利はありません。彼は歴史的な大統領になるでしょう。勿論悪い意味で。この結末がどの様なものになるにせよ、彼は罪を犯したのです。この出来事は歴史的な出来事となるでしょう。私は無力感に苛まれます。
今週もお疲れさまでした。今週は友人を訪ね新潟を訪れました。美味しいご飯を食べ話が弾み、ついスナックへ行ってしまいました。地方のスナックもまた良いものですね。来週もよろしくお願いします。良い週末をお過ごしください。