2025年3月4週振り返り(愚の骨頂)


おはようございます!週間ではダウ平均が497.16ドル高(+1.20%)と3週ぶりに反発。S&P500は0.51%高、ナスダック総合も0.17%高とともに5週ぶりの反発となりました。

今週は注目のFOMCがありました。FF金利は据え置き、ドットプロットも今年2回の利下げを示唆しサプライズはありませんでした。ただしバランスシートの縮小のペースを4月1日から緩める事を発表しています。所謂ランオフは金融政策的には緊縮的で、それを緩めるのは利下げと同じ効果があります。つまりFRBの意図は体裁は不確実性に備えると言うものでしたが、景気に危機感を表していると言えるでしょう。

実際GDP見通しは大きく下げられ、インフレ見通しは上げられています。昨年末に想定していたソフトランディングは既に崩れたと言って過言ではありません。更に誰が国債を買うのかという問題もあります。FRBがテーパリングをしつつ、トランプ大統領は財政政策的には拡大方向なので国債がダブつくという事です。その意味でも今回のFRBのランオフのペースを緩める事に繋がった可能性はあります。

2022年に英国トラス政権で財政拡張が発表された後英国債が急落しました。それは米国や日本も対岸の火事ではありません。プライマリーバランスを大きく崩した財政政策は国債急落に繋がるのです。実際スタグフレーションが意識する中、米国長期金利は4.2%と比較的高位を保っています。それは需給的にかなり緩い状況によるものと推測しています。つまり景気は悪化するにも関らず国債利回りは比較的高水準を推移する可能性があるのです。

最悪のケースはインフレ再燃かつ景気後退、更に国債利回り上昇です。それは私が政策担当者だったらお手上げという状況です。その可能性を引き起こしたのはやはりトランプ大統領の関税政策でした。彼の理論はさっぱり分かりませんが、関税はグローバリズムの後退を示します。つまりサプライチェーンの分断を意味し、それの再構築には時間が掛かります。つまりインフレが起こります。

それは可処分所得の上昇率に対して物価の上昇率が高まる事を意味します。つまり消費の停滞です。物価が上昇し、消費が低迷する、それはスタグフレーションそのものなのです。そこで我々が出来る投資戦略はリスクを最小限に留め、時が過ぎ行くのを待つことなのです。MSCIコクサイはバランスの取れた指数です。米国だけではなく欧州等も組み入れらていて、かなり分散されています。

そのMSCIコクサイを最低限の25%持ち、更にインフレヘッジの為のグローバルREITを15%、そしてヘッジのための先進国債券を25%を加え残りの35%はキャッシュというポートフォリオは現状では最適だと考えています。今は守りの時なのです。そういう時に変に欲をかいてポートフォリオをいじるとロクなことは起りません。例えばDAXが上がってるからMSCIコクサイの代わりにDAXを入れようとかは愚の骨頂です。

関税政策が一変したら米株は急騰します。その時米株を持っていない場合本当に痛い目に合います。守りの時に変に攻めるのは欲深い証拠です。またそういう人に限って未来を決めつけます。ポートフォリオマネジメントとは不確実性の元、最適なポートフォリオを維持し続ける事なのです。それは全くギャンブルと異なります。Aという未来、Bという未来、どちらにもある程度ついていけるようにするという事です。

今週もお疲れさまでした。今週は飲み歩いていました。昼から飲んでいて体重が2月10日から5キロも増えてしまい反省しています。少し控えたいと思います。来週もよろしくお願いします。良い週末をお過ごしください。