2025年1月1週振り返り(市中金利)


おはようございます!週間ではダウ平均が0.60%安、S&P500が0.48%安、ナスダック総合が0.51%安とそろって反落しました。年末の下落相場が響いた格好です。

12月ISM製造業景況指数は49.3と予想48.4前回48.4を上回りました。好調な米経済を指標が示しています。長期金利は上昇し4.602%となりました。一方2年債利回りは4.283%、逆イールドはすっかり解消しスティープニングが進んでいます。2年債利回りは政策金利の方向を色濃く反映しています。現在FF金利は4.25%でほぼ同水準、積極的な利下げは織り込んでいないことが分かります。

長期金利は期待インフレと景況感を表します。4.5%を上回る水準という事はそのどちらも期待値は高いという事です。FF金利は長い目で見れば利下げ方向なんですが、市中金利は上昇傾向です。金利上昇、株価上昇、という現象だけ見るとまるで業績相場を見ているかのように感じます。確かにAIを根源とする需要はNVDAを中心とした半導体セクターに恩恵を与えています。

ただしここまで景況感が強いと、インフレが問題になってきます。インフレ鈍化は逓減しています。最後の一歩がなかなか進みません。それは当然で景況感が良いため需要が強くモノの値段が上がりやすいからです。そうなればFRBは追加利下げを嫌う可能性が高いです。実際12月FOMCでは今年のドットプロットが2回へ引き下げられました。更にこのまま景気が鈍化しなければ本当に利下げできるのかさえ疑問です。

そもそも4.25%というFF金利水準が確実に中立金利以上かどうかも分かりません。確かに5.25%は中立金利以上でした。確実に景気とインフレを後退させたからです。しかしそこから1%下がった4.25%は果たして中立金利以上なんでしょうか。絶対値としてみれば4.25%は確かに高い水準です。中立金利は2.5%程度と見られていたこともあります。ただ12月ISM製造業景況指数等指標を見ると景気は回復しているのです。

これを踏まえてFRBは利下げが暫くできないと考えます。とすると利下げが支えだった株価の上昇も一旦は弱まる可能性が高いです。バリエーションはパンパンまで膨らんでいます。確かにAIの勢いは強いです。ただしマクロを無視して高値追いするような展開にはならないと私は考えます。ただそれが否定された場合バブルが形成されているとも言えるでしょう。バブルの形成自体をまだ私は否定しきれていません。

つまり、基本路線は保守的に弱気を継続します。ただし今の所可能性は低いとは思いますが、バブルと判断すれば乗らなくてはなりません。そしてまだ私はバブルが形成されているとは思っていません。ただ今の上昇を覆すようなイベントも今とのとこ見当たりません。一つ言えるとすれば更なる長期金利の上昇でしょうか。財政悪化によるタームプレミアムの上昇が起こり長期金利が5%のような状況になればバリエーションが崩れる可能性があります。

いずれにせよ、相場は絶妙なバランスで今の高値をキープしています。私達はある程度の所で強気から弱気に変えパフォーマンスに蓋をしました。そして今は様子見をしているところです。景況感は間違いなく強い、それは株価を支えます。但しその強すぎる景況感が市中金利の上昇を招くと、株価が耐えられなくなる可能性もあります。それはまるで利下げ局面ではなく業績相場のようです。

今週もお疲れさまでした。今週はのんびり年末と正月を過ごしていました。特にこれと言ったこともなく、ゆっくり出来ました。来週もよろしくお願いします。良い週末をお過ごしください。