コラム【個の時代】【私はマウス】【未来を切り開く】【アスペルガーな私】

   

私は普段、金融、経済、マーケットについて情報発信していますが、全く関係ないコラムを書く事も好きだったりします。ツイッターで書いたコラムがたまってきたのでここで4本紹介します。

【個の時代】

日本の一番の構造問題は間違いなく労働市場の硬直化です。人材がうまく流動せず、その結果給与も上がるような構造になっていない、そこが問題点なのです。その結果、消費も伸びず景気も上がらない。幾ら日銀が金融緩和しても景気が良くならない原因はそこなのです。

つまり適材適所、能力さえあれば好きな時に好きな職につける、そういう環境が日本にはないといえます。それを打破するには、極めて政治的な制度的な問題になってしまいます。セイフティーネットの拡充や企業のクビ切りの際の特別退職金支払いの保証、それは個人ではすぐに解決できる問題ではないです。

しかし終身雇用制度は崩れ、誰しも明日職を失うリスクが出てきています。その中で個人は何をやるべきか、それを真剣に考える時が来始めたのではないかと考えています。政府の方針は副業を認める流れになってきています。それは副業が前提になり、会社からの給与だけに頼らない社会になるという事です。

では具体的に何をし始めたらよいのでしょうか。それは、なんとなくでよいと思います。ツイッターで情報発信してフォロワーを増やす。ブログを書く。なんでもいいのです。すぐにお金にならなくても、何かを始めることが大切なのではないでしょうか。

なんとなくを、継続したら、そのうちお金になってくるかもしれません。それよりも、その過程を楽しむ、それが大事だったりします。私はキリスト教信者ではありませんが、キリスト教にGIFTという言葉があります。GIFT、それは、人の才能はそれぞれ、それを最大限に伸ばすことが社会貢献になる、という意味です。それぞれの人が、好きなことをやって、その能力を伸ばして、楽しんで、お金を得て、社会の役に立つ、そんな個の時代になって行けばいいと私は考えています。

【私はマウス】

私は10年間、ゲームに引きこもってました。10年前、躁鬱病を発症して自我が崩壊するところまで行きました。その後も2回ほど劇躁の為に入院しています。自分がなくなる、そういうところまで行くと、引きこもりなど幸せに過ぎません。私は、引きこもった自分をよくやったと褒めています。よく耐えたと。そんな自分に自信を持っています。

以前行動心理学の投稿をしたときに、成功のパターンを作ることの大切さを言及したことがあります。要するに、うまく行ったときは自分に結果の報酬を与えることです。うまく行ったら、好きな女性に褒めてもらう、うまく行ったらおいしいものを食べる。それだけで、自分に自信がついていきます。

何かを成し遂げようとするとき、それは大きな目標になります。それを達成させるためには、小さな目標を作るのです。今週何をするのか、そしてその為に今日何をするべきか。達成しない場合もあるでしょう。しかし、達成した時自分にご褒美を上げてください。

自分をマウスだと思えば分かりやすいかもしれません。エサが入ってる迷路、正解の経路をたどれば、貴方はエサにたどり着けます。私の人生は毎日がその繰り返しです。自信がない人にありがちなのが、人と比べることです。それは決して自分の人生を豊かにするものではありません。人より優れている、そこに何の意味があるのでしょうか。それよりも、エサを求め、正解を辿るマウスのほうが、幸せに思えます。

劇躁で自我が崩壊したとしても、薬によって、意志の力によって、またそれを使う知識を蓄えることによって、人は再生されます。貴方は何かで辛い思いをしていたとしても、貴方は自分の力によって立ち直ります。それを、まず褒めてください。自分に何か与えてください。それが自信につながり、貴方の人生をより良いものにしていくものとなるでしょう。

【未来を切り開く】

私は今年で39歳になりますが、20歳の時、外資系投資銀行で働きたいと思って以来、若いころは人生にリスクを取って来ました。新入社員で準大手証券でトレーダーをして、そのままなら食い扶持は困らないのに、2年半で海外のヘッジファンドに転職しました。

給料なんて雀の涙、それでも自分の可能性を信じてリスクを取り、一人海外へ旅立ちました。送ってくれた友達は私の決断に驚いていました。海外では夜の時間一人で端末を見つめる日々が続き、それでも自分は成功するんだと、昼間は築130年のカビ臭い部屋の中で、英語の本をただ黙々と朗読していました。

外資系投資銀行に入るには、英語が必須。ただ、それだけのために一人海外で暮らせる英語力を身につけていきました。1年で会社がシンガポールに行くことになり、そのタイミングで私は日本に帰りました。全く次の仕事に当てもなく、ただ自分の可能性を信じて戻ってきたのです。

数か月後、知り合いにヘッドハンターを紹介され、私はまた日系の証券会社の外人チームでトレーダーをやることになりました。そして、その半年後、外資系投資銀行からスカウトが来て、夢が実現しました。26歳の時です。そこでは、今まで体験したことのない最高の環境を体験できました。

夢が大きければ大きいほど、リスクを取らなければなりません。夢を実現させるまでの、給料は人より少なかった時期もあります。でも私は、”今”は考えていませんでした。自分が成功する”将来”だけを考えていました。”今”金が欲しい、そういう時も確かにありました。でも、目先の小銭のために、自分の貴重な時間を使う気にはなれませんでした。そういときは、ひたすら自分の成長のために時間を使いました。

今は昔ほどアグレッシブに生きていませんが、最近は金融リテラシーの向上のために、金融、経済、マーケットについて『溢れているニュースのポイントを押さえ、分かりやすくかみ砕く』と言うことを始めました。非常にチャレンジングです。結果は将来しか分かりませんが、私は将来を楽しみにしています。

【アスペルガーな私】

世間では空気の読めない人をアスペと言ったりしますが、私は本当にアスペルガーと診断されています。アスペルガーとは知的障害のない自閉症と訳され、一般にコミュニケーションが苦手とされています。たまにアスペルガーの方が事件を起こしたりするとニュースになったり、はたまた歴史的な偉人がアスペルガーとされていたり、結局よくわからないものだったりします。ただ、抽象的に言えば人とはちょっと違う、そんな人を現代社会で分類したものなんだと考えています。

ただ、傾向としては一つの物事に興味を示し、それに対する集中力は類を見ないという事だと思います。その分人とのコミュニケーションは非常に苦手だったりしますが、人には得手不得手がありそれが極端なものだと考えると理解しやすいかと考えています。

かく言う私もコミュニケーション、とても苦手でした。社会に出ても敬語もできず、機関投資家営業に配属されたにもかかわらず、敬語の本を音読するところから新社会人は始まりました。まあ、苦労したという事です。でも、努力で何とかなるものですね。今では、コミュニケーション能力は上がりました。

あとは、英語ですね。英語は非常に直喩的です。例えば、謝られた場合、日本人は『曖昧な日本の私』な反応をします。しかし、アメリカ人は『アポロジャイズ・アクセプト』つまり謝罪を受け入れます、と言います。これは日本人からしたらとんでもない反応です。私は抽象的な表現が苦手です。

私が、外資系投資銀行で生きやすく働けたのは、そういう文化の職場に非常に合っていたからだと考えています。話はそれました。つまり本人の努力次第で、へこんだ部分も多少は良くなったりします。ここからが言いたいことで、全ては本人の意思と環境によって変わってくるんだと思います。

まず当の本人の意思がなければ、何事も変わりません。ただ、周りの理解や環境も大事です。私は、幼稚園から国立の附属校で教育を受けました。そこでは、個性を生かし比較的自由な教育を受けることが出来ました。要は、多少はみ出していても許されたのです。

私はもし普通の学校だったら、いじめにあってたと考えています。そのくらい変わった子でした。でも周りも同じように変わった子だったためなんとか健全に学校に通う事が出来ました。今は幼少時でもアスペルガーと判断されることがあります。その場合は、両親の理解や環境が大事になってきます。

今回のコラムで言いたいことはここです。特に幼少期の子供に対して、アスペルガーと言う個性を殺すのではなく、個性を生かす、そんな環境になって行けばいいと考えています。またそれはアスペルガーの子供だけではありません。同様に普通の子供に対しても抽象的ですが個性を生かす教育を望みます。

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