預金を投資に回したい!資産運用の6つのステップ【改訂版】

私は、証券会社等で株式のトレーダーをして引退したものです。金融の世界を離れて数年経ちますが、離れてみないとわからないことは沢山ありました。とくに、金融業界の方以外の方と接する機会が増え、そういう方の常識が、金融業界の常識と違うということを感じました。特に同じ年代の方で、投資には興味あるけれども、取っ掛かりがつかめない方が多くいると思いました。そういう方の手助けが少しでもできればと思い、ブログを立ち上げました。
私は証券投資をするにあたり、何より得るものは、経済や金融に関する知識、つまり金融リテラシーだと考えています。金融リテラシーの向上こそ、このブログのテーマになっています。金融リテラシーを得る一番の近道は投資をすることです。投資をすることにより、株や債券の価格の推移をウォッチし、何故動いたかを考えるようになります。
この記事は以前書いた、【預金を投資に回したい!資産運用の6つのステップ】と言う記事を書き直して、改訂し、また分かりやすく一つにまとめたものです。この一本の記事で、全く証券投資について分からない人が、口座を作るとこから始まり、実際に証券投資が出来るようになるまで解説していきます。確かに投資は難しいものです。ただ、ここに書かれている内容を理解し実践すれば、投資の第一歩は踏み出せます。では早速その一歩を踏み出してみましょう。
目次
1.証券口座を開き入金する。
2.預金、債券、株式のリスクとリターンを理解する。
3.投資信託の仕組みを理解する。
4.実際に投資する投資信託を決める。
5.ポートフォリオを作る。
6.運用ルールを決めリバランスをする。
1.証券口座を開き入金する。
店舗型証券会社とネット証券
証券業は顧客から手数料を頂いて成り立っているビジネスです。店舗には営業員がいて、営業員は手数料を稼ぐことによって生計を成り立てています。顧客に良い提案をして顧客のために真摯に働いている営業員はたくさんいると思います。ただ、営業員を仲介する事によって、手数料分の投資のパフォーマンスは確実に減ります。
ネット証券は、その営業員の仲介が無いために手数料が低く抑えられています。また、ネット証券を経由して投資するには自分で判断する知識が必要です。投資するには自己判断、自己責任が重要です。営業員の提案より、自分で知識をつけ、投資判断できるようになることを目標にする。それが投資の第一歩だと思います。
ですから、まずその取っ掛かりとして、ネット証券に口座を作ってみましょう。SBI、マネックス、楽天等、有名な証券会社のほうが安心できると思います。また、投資の選択肢が広がるので、取り扱い投資信託が多い会社をお勧めします。
証券口座はシンプルに1つ
開設する口座はシンプルに1つで良いと思います。口座がたくさんあると、運用が複雑になりますし、パフォーマンスがわかりにくくなります。
たとえ、人気の高い投資信託がA社だけにあったとしても、人気が出ればいずれB社にも取り扱いができるようになることが多いです。ですから、なるべく有名でたくさんの投資信託を扱っているネット証券1社を選んでそこに資金を集中させたほうがわかりやすいと思います。なお、もし証券会社が破綻しても預かっている資産は分別勘定されているので、資産は戻ってくる仕組みにはなっています。
口座に入金しましょう
証券口座を作ったら、次に入金をします。入金するとMRFと言って証券会社の普通預金口座のようなものに投資されます。投資されると言ってもまず減ることはないので、証券会社の預金と言ってもいいでしょう。金利は銀行の普通預金より高めに設定されていることが多いです。
2.預金、債券、株式のリスクとリターンを理解する。
リスクとは、お金が減ること、なくなること
銀行預金、郵便貯金、ほとんどの方がされていると思います。投資に関しては、怖い(リスクが高い)から、されていない方が一般的だと思います。では、そのリスクとは何でしょう。お金が、減ること、なくなることですね。
預金のリスク
預金している銀行がもし、破綻した場合どうなるのでしょうか。普通預金口座、定期預金口座に関しては、1000万とその利子については国が保証しています。つまり、預金が1000万を超える場合、どの程度返済されるかは不確かになっています。これをペイオフといいます。実は、預金という行為も、リスクをとっている行動なのです。
投資のリスク
投資のリスクは預金よりも高いとされています。それは投資したお金が減る可能性があるからです。一般的に、リスクが高い資産ほど、リターンが高いとされています。つまり、投資は預金より高いリターンが得られる可能性が高いということです。また、よりリスクの高い投資をすると、高いリターンが得られる可能性が高いということも言えます。証券投資では、一般的に、株式はリスクが高いがリターンも高い商品、債券はリスクが低いがリターンも低い商品とされています。
間接金融と直接金融
一般に企業は借金をして経営をしています。銀行から融資を受けて、銀行に利子を収めて成り立っています。それを間接金融といいます。銀行が預金者から集めたお金を、企業に貸して利子を取って、預金者に金利を払っています。間接金融と相反する言葉として、直接金融があります。直接金融とは企業が銀行を介さず投資家からお金を募る行為です。具体的には、債券の発行、株式の発行があたります。
債券の仕組み
債券の発行とは、銀行からの融資と同様に企業の借金の仕方です。違いは、企業が投資家に直接借金をするということです。利子は、企業が情勢から決定し、投資家がそれに応募するという形で発行します。
流通市場
株式が上場している会社の債券は、流通市場があります。投資家が購入した債券をいつでも売買できる場所で、それは証券会社がその役割をしています。流通市場で債券価格は、その時の経済の情勢や、会社の信用の変化によって価格が変わっていきます。ただ、債券には返済期限(償還)があって償還日には全額返済されます。利子は予定された日程に支払われます。
債券投資のリスクとリターン
債券投資のリスクは、その会社が破綻することです。破綻した場合、債券は全額返済されません。つまり破綻するリスクが高くなればなるほど、債券の価格は安くなっていきます。会社だけではなく国も債券を発行しています。国が発行する代表的な債券は国債です。国債もリスクはあります。国が破綻することです。新興国では国が破綻することは珍しくはありません。新興国の利回りは、先進国に比べ高くなっています。
債券投資とは、信用に投資するという言葉に置き換えられると思います。債券の発行体が破綻しなかった場合は、予定された利率と額面が返ってくるという商品です。
株式の仕組み
一般的な企業の形態として、株式会社があります。株式会社とは、株式を発行している企業のことを言います。株式会社の資金調達の方法は、株式を発行するか、借金をするかです。借金の方法としては、間接金融による融資と直接金融による債券の発行があります。
では、株式とはどのようなものなのでしょうか。投資家から直接資金を調達するという意味では、債券と同じく直接金融に含まれます。債券と違うのは、返済期限も利子もない証券ということです。また、株式は会社の所有権だと置き換えられます。株式会社では一般に会社は株主のものとされているからです。では株式の価値とはどういうものなのでしょうか。
株式投資のリスクとリターン
会社が赤字を出した場合、すぐには会社は破綻しません。それは株式があるからです。株式で調達した資金は会社が赤字を出した場合、株式の部分から赤字分や利子を支払います。逆に、利益を出した場合、株式の部分に加算されます。つまり、会社が成長すれば、利益を出した分、会社の価値=株式の価値が上がります。会社が破綻すれば株式の価値はなくなるということです。
上場株式とは、株式市場に上場している株式のことを指します。上場株式は、株式市場が開いている間、自由に取引できます。投資家にとって、株式とは返済義務がない分、債券よりリスクが高く、その分リターンが高い商品といえます。
3.投資信託の仕組みを理解する。
投信会社が運用する商品が投資信託
お金を預かって運用する会社を、運用会社といいます。運用会社には、銀行、信託銀行、生命保険、損害保険、投信会社、投資顧問、等が含まれます。投資信託とは、その運用会社の中の投信会社が運用する商品のことを言います。投信会社が小口に投資から資金をつのり、まとめて運用したものを投資信託といいます。
投資信託はどうやって購入するか
投資信託は、投信会社から直接購入する方法と、証券会社や銀行から購入する方法があります。売却も同様です。一般的には、証券会社や銀行を仲介して売買する事が多いです。売買する際、仲介手数料を証券会社や銀行に支払いますが、最近はノーロードと言って手数料が無料の投資信託も多くなってきています。
投資信託は何を運用しているか
一般的に投資信託といえば、株式投信、債券投信がまず思い当たります。その投資対象は、国内もあれば、外国もあります。他にも、上場不動産投資信託(REIT)に投資する投資信託、株式、債券両方に投資する投資信託もあり多種多様です。
投資信託の運用目標はベンチマーク
たとえば国内株式に投資する投資信託だけでも、沢山の種類があります。その違いを理解するための用語で、ベンチマークというものがあります。投資信託のベンチマークとは、投資信託を運用会社が運用するにあたり、目標にする指数のことを言い、具体的に、日経225、TOPIX、ダウ平均株価、等がよく使われています。
実際に運用されている投資信託2本を比較
投資信託と言う商品のイメージが、すこしづつ具体的になってきたと思います。そこで、より理解を深めるために実際に運用されている投資信託2本を比較しながら紹介していきたいと思います。
ニッセイ国内債券インデックスファンドと、明治安田日本債券ファンド、という2本の国内債券に投資する投資信託があります。2本とも、SBI証券等で実際に販売されている投資信託で、どちらも人気も実績もある優秀な投資信託です。では、2つの投資信託の違いとは何でしょうか。
委託運用会社
委託運用会社とは、投資信託を運用している運用会社のことを言います。ニッセイ国内債券インデックスファンドの運用会社はニッセイ・アセットマネジメント、明治安田日本債券ファンドの運用会社は明治安田アセットマネジメントです。
ベンチマーク
モーニングスターカテゴリといって、投資信託を分類するものがありますが、どちらも国内債券・中長期債となっていて、2本の投資信託の投資対象が同じだということがわかります。ただベンチマークが、ニッセイ国内債券インデックスファンドはNOMURAーBPI総合で、明治安田日本債券ファンドはシティ日本国債インデックスとなっていることから、目標とする指数が違うことがわかります。
運用方針
ニッセイ国内債券インデックスファンドはベンチマークに連動する成果を目標としています。それに対して明治安田日本債券ファンドはベンチマークを上回ることを目標としています。一般に、前者をパッシブファンド、後者をアクティブファンドと呼んでいます。
信託報酬
信託報酬とは、1年間に投資家が投資信託に払う運用報酬のことを言います。投資している金額に対して割合で表示されていて、ニッセイ国内債券インデックスファンドの信託報酬は年率0.16%で、明治安田日本債券ファンドの信託報酬は年率0.59%です。一般的に、アクティブファンドの方が一般的にパッシブファンドより信託報酬は高くなります。
信託報酬の違い
一般的にパッシブファンドよりアクティブファンドのほうが信託報酬が高くなっています。なぜそうなるのかは、パッシブファンドとアクティブファンドの仕組みが違うことが理由です。では、それぞれの投資信託はどういった仕組みになっているのでしょうか。
パッシブファンドの仕組み
パッシブファンドは、ベンチマークと連動するパフォーマンスを上げることが目標です。つまり、ベンチマークと同じ動きを目指しています。ではベンチマークと同じ動きをするにはどういった運用方法を行えばよいのでしょうか。
たとえば、日経225という指標は、日本を代表する225銘柄の平均値を指しています。ここで、実際にその225銘柄を持てば、その225銘柄の合計は、日経225と同じ動きをするはずです。
パッシブファンドは実際にそのような運用をしています。つまりベンチマークと同じ構成銘柄を構成割合で持つというのを基本にしています。ベンチマークと同じ動きを目指しているので、ベンチマークとの乖離をなるべく少なくするためにそのような運用をしています。ただ実際の運用ではベンチマークとの乖離が生まれます。その乖離をなるべく少なくすることがパッシブファンドの目的と言えるでしょう。
アクティブファンドの仕組み
アクティブファンドとは、ベンチマークを上回るリターンを目指す投資信託です。ベンチマークを上回るには、どこかで同じベンチマークのパッシブファンドよりリスクを取る必要があります。
たとえば、日経225がベンチマークだとしたら、225銘柄、同比率で投資するのがパッシブファンドでが、アクティブファンドは、投資銘柄が200銘柄だったり、ある銘柄の投資比率がベンチマークより高かったりします。つまり、ベンチマークからの乖離をつくりプラスアルファのリターンを目指すのがアクティブファンドです。
乖離を作るには、リサーチが必要です。経済情勢だったり、個別の銘柄の利益予想だったり、まずはリサーチが必要です。そのリサーチを元に、運用者が運用にバイアスを掛けてプラスアルファのリターンを生み出していきます。たとえばこれからの経済情勢の見通しが悪いと判断すれば、現金の保有比率を高めたり、経済情勢に左右されない銘柄に多く投資したりします。もちろん、バイアスの程度は運用規約によって定められています。
パッシブファンドより、アクティブファンドの運用報酬が高い理由がここにあります。リサーチのコスト、運用者の投資の意思決定によるコスト等、が運用報酬に乗っかっているのです。何かを調べるには人的コストがかかり、その意思決定も人的コストが掛かります、また実際に銘柄を執行するのにもトレーディングコストがかかります。
つまりアクティブファンドとは、ベンチマークに対してそのコスト以上にリターンを生み出すことが目的という投資信託といえます。
パッシブファンドとアクティブファンドのリターンの差
一般に、同じベンチマークを採用するパッシブファンド=インデックスファンドとアクティブファンドの実際の年間パフォーマンスを比べると、変動の激しい株式でも1%程度です。さらに変動の低い債券だと年間1%変わることはほとんど無いと思います。
投資のリターンを決定する最大の要素はアセットアロケーション
聞き慣れない言葉かもしれませんが、アセットアロケーションとは資産をどのように配分するかという投資の用語です。アセットアロケーションは投資のパフォーマンスの大部分を決定すると言って過言ではない要素になります
100万円を下記の3通りに投資した場合
①株式投信100%
②株式投信50%債券投信50%
③株式投信20%債券投信80%
1年後の株式投信のパフォーマンスが30%、債券投信のパフォーマンスが5%だとします。その場合のポートフォリオの価値は、
①130万円
②117万5千円
③110万円
次に、1年後の株式投信のパフォーマンスが-20%、債券投信のパフォーマンスが0%だった場合のポートフォリオの価値は、
①80万円
②90万円
③96万円
となります。株式の方がリスクが高いので、株式の保有割合が高ければ高いほど、ポートフォリオの変動は高くなることがわかります。
投資信託の選択による影響とアセットアロケーションによる影響
全てのアクティブファンドが、パッシブファンドを年間1%上回ったとしても、投資のリターンへの影響は全体で1%です。しかしアセットアロケーションによる影響は、年間10%以上変わってきます。つまり投資のパフォーマンスはアセットアロケーションの影響がかなり大きいことがわかります。
ノーロードの投信はパッシブファンドが多い
実際に投資信託を投資するにあたって、パッシブファンドとアクティブファンド、それ自体にはどちらがいいかという理由にはならないとは思います。しかし、パッシブファンドは信託報酬(運用手数料)が低いノーロード(取引手数料無料)の投資信託が多いというメリットがあります。投資信託を選ぶにはノーロードの投資信託がいいと思います。
ノーロードを選ぶ理由
ノーロードの投資信託はなにより、将来のリバランスコストが低く抑えられるメリットがあります。リバランスとは、ポートフォリオの投資比率を変えることで、たとえば、株式20%債券80%から株式30%債券70%に変える事を言います。その際取引するにあたって取引コストが低い方が良いので、ノーロードの投資信託を選ぶのがお勧めです。
4.実際に投資する投資信託を決める。
分散投資の重要性
数種類の投資対象に分散して投資をすることは、投資の世界では非常に重要です。それは、投資する資産の構成をポートフォリオと言いますが、その中身を適切に分散してアセットアロケーションすれば投資全体の変動するリスクを減らせるという考え方にもとづいています。
相関係数
少し専門的な用語になりますが、相関係数というものがあります。AとBの連動性を表すもので、1から-1の間の数字を取ります。下の図では日本株と日本国債は相関係数は-0.28です。その場合は、過去平均で、日本株が1%上がると、日本国債は-0.28%下がって来たという事を表しています。ちなみに、現金は変動しないので、日本株との相関係数は0ということになります。
*算出期間は、2004年末から2014年末。JPモルガンアセット算出データ。
投資対象を増やせばリスクが減る
2つの投資対象が違う動きをするなら、その両方に投資することとによってポートフォリオ全体の変動リスクを減らせます。具体的に、日本株が下がった場合、日本国債が上がることが多いので、両方を保有している場合、全体の変動が少なくなることがわかります。また、投資対象を増やせば、それだけポートフォリオ全体の変動するリスクを抑えられます。
これは投資信託についても同様です。国内債券投資信託に加え、国内株式投資信託だけでなく海外株式投資信託に投資することによって、ポートフォリオ全体の変動リスクを減らすことが出来ると言えます。
海外株式投資のメリットとデメリット
日本に比べて海外の経済成長率は、比較的高い傾向があります。株価は成長する期待が高くなると上昇します。つまり海外株式の期待リターンは国内株式より高い可能性が高いです。海外株式投資信託に投資するメリットは何よりそこにあります。
ただしデメリットもあり、それは国内株式投信よりも海外株式投信のほうがリスクが高いことがあげられます。とくに、国内株式投信と違うところは、株式変動のリスクに加え為替変動のリスクをとっているところを注意しなければなりません。
海外株式投資信託に投資する理由
為替変動のリスクを取ったとしても、海外株式投資信託への投資はそのリターンは魅力的です。また、分散投資の観点からも、投資対象を増やすことは悪いことではありません。以上の2点の理由から海外株式投資信託へ投資するべきだと私は考えています。
販売されている投資信託4本
ここでは、前章で説明したパッシブファンドの中から実際に販売されている投資信託4本を紹介します。手数料が安い、ノーロードの投資信託かETFの中から選んでいます。ETFとは上場投資信託と言って株式と同じように取引できる投資信託です。こちらも手数料が安くなっています。
ニッセイ日経225インデックスファンド
これは日経225という日本を代表する株価指数に連動する投資信託です。ニッセイアセットマネジメントと言う生保系の運用会社が運用するパッシブファンドです。パッシブファンドとは指数に連動することを目的としており、手数料が比較的安いのがメリットです。具体的に、信託報酬と言って年間取られる額は0.27%、解約手数料はありません。
たわらノーロード 国内債券
これは、NOMURA-BPI総合と言う国内債券のベンチマークに連動する投資信託です。Oneと言って旧DIAM(興銀第一ライフ)という運用会社が運用しているパッシブファンドです。信託報酬は年率0.1512%で解約手数料もありません。
上場インデックスファンド海外先進国株式(MSCI-KOKUSAI) (1680)
これはMSCIコクサイ・インデックスと言う、日本以外の世界の先進国に投資するETFです。MSCIコクサイ・インデックスとは、日本を除く先進国を投資対象とする代表的な指標で多くの先進国株式投資信託のベンチマークになっています。特徴としては、構成の60%が米国株式で、米国株式に対する感応度が高いということが挙げられます。
上場インデックスファンド海外新興国株式(MSCIエマージング) (1681)
これは、MSCIエマージング・マーケット・インデックスという指数に連動するETFです。MSCIエマージング・マーケット・インデックスとは、新興国を投資対象とする代表的な指標で多くの新興国株式投資信託のベンチマークになっています。特徴としては、中国、台湾、韓国、ブラジル、南アフリカ、インド、ロシア等幅広く分散して構成されていることが挙げられます。
5.ポートフォリオを作る。
ポートフォリオとは各資産をアセットアロケーションしたものが集まったものです。つまり貴方が投資するものの全体をさします。まず前提として経済の見通しがニュートラル、つまり強気でも弱気でもない場合の状態で各資産をアロケーションしていきたいと思います。その場合は株式と債券の割合は、各40%程度が良いでしょう。残り20%は現金として追加投資できる準備をしておくのがいいと思います。また、数%程度を仮想通貨に投資するのも良いと思います。仮想通貨は株式や債券と連動性が無く、そうするとポートフォリオ全体の変動を抑える効果があります。ただし、変動性が高いの少額に収めた方が良いです。
具体的な内訳
まず債券投資信託の、たわらノーロードに40%、次に株式投資信託の、ニッセイ225インデックスファンドに20%、上場インデックスファンド海外先進国株式に20%、上場インデックスファンド海外新興国株式に数%程度と資金を割り振りましょう。これでポートフォリオが完成です。
債券投資の意味ですが、株式が下がった場合クッションの役割にまります。特に株式の急落時は債券も上がることが多いです。株式よりも期待リターンは小さいですが、債券に関しても投資しておいた方が良いです。
6.運用ルールを決めリバランスをする。
投資のリターンを決めるのはアセットアロケーションと紹介しました。つまり、投資とは5章で決めたアセットアロケーションを経済の見通しによって変えていくことだと説明できます。もし、貴方が経済の見通しを強気にみているなら、株式のアロケーションを増やします。具体的には株式の割合を40%から50%に増やし、債券の割合を40%から30%に減らします。逆に経済の見通しを弱気に見ているなら、債券の割合を40%から50%に増やし、株式の割合を40%から30%に減らします。
この見通しの変化こそ、投資のリターンの源泉なのです。100%見通しが当たることはありませんが、経済や金融の知識を身に着けて予想をたてられるようになることが大切です。そこが何よりの投資の面白さであって、チャレンジングなところだと思います。
ただし、運用するにあたってはルールを決めましょう。たとえば、株式債券の各資産のMAX保有比率を60%までとすることが良いでしょう。また債券は株式が下がったときのクッションになりますが、変動性が低いため、少し多めに持っておくことがいいと思います。つまり債券は最低30%は持って置いた方が良いかもしれません。いずれにせよ、自分でルールを決めてそれを守っていくことが大切です。
まとめ
この6つのステップを踏めば、貴方の投資はスタートしました。ここからが貴方の腕の見せ所です。経済や、金融、政治について学び、金融リテラシーを身に着けて行きましょう。投資とは一生かけてやっていくものです。焦らずゆっくりと進んでいきましょう。