株価についての基礎知識【ツイキャスライブ原稿と録音リンク】

      2018/08/06

2018年8月5日、株価についての基礎知識というタイトルでツイキャスライブをしました。

録音リンクは下記の通りです。

株価についての基礎知識録音リンク

また、原稿を添付しますのでご査収ください。

今日は、株価についての基礎知識について解説していきたいと思います。そこで、株価を説明する二つの要素、EPSとPERについて説明しようと思います。いきなり、よくわからない二つの単語が出てきましたが、この2つの単語は株価を理解するために必要なワードなのです。

EPSとはアーニングパーシェアの略で、日本語では一株当たり利益。つまり会社の利益を発行済み株数で割ったものです。PERとはプライスアーニングレシオの略で日本語では、株価収益率を指します。株価が一株当たり利益の何倍かという指標です。つまり、EPS×PER=株価という仕組みになっています。ここまで軽く説明しましたが、まだ具体的に理解できてないと思いますので、もう少し説明していきます。

このEPSとPERは株価を見る際に一般的な指標で、たとえばヤフーファイナンスのページにも載っています。例えばソニーの株価のページを見るとPERは15.49倍、EPSは394.48円です。ソニーの株価は6111円、PER15.49倍×EPS394.48円=6111円という関係が成り立ちます。

発行済み株数は企業ごとに違います。例えばソニーは12億株、パナソニックは24億株。EPS、一株当たり利益とは文字通り、一株当たり会社がいくら利益を上げているかを現すものになります。

ここで、パナソニックのPERは13.71倍、EPSが107.19円で株価が1469.5円です。ソニーはPER15.49倍、EPSは394.48円、株価が6111円です。

株価を比較するには、株価の価格自体で比較してはいけません。株価とは一株当たり利益の何倍で評価されているかを見るものなのです。つまり、PERを基準に考えるものと思ってください。

ソニーはPER15.49倍、パナソニックはPER13.71倍でした。これは市場ではソニーのほうが高く評価されているという事です。何故ソニーのほうが高く評価されているのでしょうか?それはソニーのほうが利益成長を見込まれているという事です。ソニーは7月31日決算を発表しました。内容としては、よい決算内容で、19年3月期第1四半期(4-6月)の連結税引き前利益は前年同期比2.1倍の3120億円に急拡大しています。併せて、通期の同利益を従来予想の7350億円→7600億円(前期は6990億円)に3.4%上方修正し、増益率が5.1%増→8.7%増に拡大し、従来の2期連続での過去最高益予想をさらに上乗せしています。

この発表を受け、翌日から株価は上昇、5800円台だった株価は6100円台まで上がっています。

株価とは、EPS×PERと説明してきました。つまり、EPSかPERどちらかが上がれば株価が上がるという事です。ソニーは、決算によって予想EPSが上がりました。そのことによって株価が上がったと説明されます。

また、パナソニックよりもソニーのほうが高く評価されている、つまりPERが高い理由は、その利益成長率への期待によるところなのです。高成長銘柄は一般的にPERが高いです。それは将来の一株当たり利益が高くなると予想されているからです。

逆に言うと、高成長銘柄の成長が鈍化する場合はPERが下がって株価が下がります。それが前回言及したフェイスブックなのです。ナスダックに上場するフェイスブックのPERは32.38倍です。それはソニーの倍以上の数値です。

決算発表後にフェイスブックは急落しました。210ドル以上していた株価が、170ドル台まで下がったのです。FBの決算内容として、純利益は市場予想を上回ったものの、売上が市場予測に届きませんでした。ここまでは、大丈夫でした。ただ時期以降の売上高成長の鈍化と営業利益率低下をフェイスブックは示唆したのです。

増収増益基調が続くのですが、その成長のスピードが鈍化するという事が問題だったのです。

一つ言えることは、株価はその時々の情報をすでに織り込んだモノなのです。新しい情報が出るとすぐ反応します。今の株価は、全ての情報を織り込んだものと考えてみていいものなのです。たとえば、ここで為替が円安に振れたとします。そうすると、輸出企業は利益が増えます。なので為替が円安に動いた瞬間、株価も上がっていくという事なのです。

では、どうやって上がる株式を予想すればいいでしょうか?それは意外と身近なところにあったりします。例えば伊藤園という上場企業、前期最高益を上げて高値を付けました。伊藤園という企業はもともと営業網を武器に利益を上げて言った企業です。ただ主力販売商品がお~いお茶しかなく、他の商品が弱いという問題点がありました。

ただ、コンビニの飲み物コーナーを見たら最近は、様々なお茶を販売していることが分かります。とくに今年頭から、お~いお茶、濃いめ、新緑茶、ほうじ茶、玄米茶等お茶という商品で様々な種類を販売するようになりました。言いたいことは、これは株価が上がる前兆なのです。コンビニでたくさんの種類のお茶が売れている、これは株価にまだ織り込まれていませんでした。5月に発表された決算で利益が最高益を更新したというニュースが流れ買われたのです。

株式投資とは身近なものだったりします。普段気づいた些細なことが株価を予想するヒントになるかもしれません。

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