リバランスコストが低いので信託報酬が低いノーロードのパッシブファンドを選びましょう!

実際に運用されている投資信託2本の比較から投資信託の仕組みを知りましょう!で、投資信託はパッシブファンド=インデックスファンドとアクティブファンドに分類される事を紹介しました。今回は、パッシブファンドとアクティブファンドのどちらに投資するべきかを考えていきたいと思います。
信託報酬の違い
一般的にパッシブファンドよりアクティブファンドのほうが信託報酬が高くなっています。なぜそうなるのかは、パッシブファンドとアクティブファンドの仕組みが違うことが理由です。では、それぞれの投資信託はどういった仕組みになっているのでしょうか。
パッシブファンドの仕組み
パッシブファンドは、ベンチマークと連動するパフォーマンスを上げることが目標です。つまり、ベンチマークと同じ動きを目指しています。ではベンチマークと同じ動きをするにはどういった運用方法を行えばよいのでしょうか。
たとえば、日経225という指標は、日本を代表する225銘柄の平均値を指しています。ここで、実際にその225銘柄を持てば、その225銘柄の合計は、日経225と同じ動きをするはずです。
パッシブファンドは実際にそのような運用をしています。つまりベンチマークと同じ構成銘柄を構成割合で持つというのを基本にしています。ベンチマークと同じ動きを目指しているので、ベンチマークとの乖離をなるべく少なくするためにそのような運用をしています。ただ実際の運用ではベンチマークとの乖離が生まれます。その乖離をなるべく少なくすることがパッシブファンドの目的と言えるでしょう。
アクティブファンドの仕組み
アクティブファンドとは、ベンチマークを上回るリターンを目指す投資信託です。ベンチマークを上回るには、どこかで同じベンチマークのパッシブファンドよりリスクを取る必要があります。
たとえば、日経225がベンチマークだとしたら、225銘柄、同比率で投資するのがパッシブファンドでが、アクティブファンドは、投資銘柄が200銘柄だったり、ある銘柄の投資比率がベンチマークより高かったりします。つまり、ベンチマークからの乖離をつくりプラスアルファのリターンを目指すのがアクティブファンドです。
乖離を作るには、リサーチが必要です。経済情勢だったり、個別の銘柄の利益予想だったり、まずはリサーチが必要です。そのリサーチを元に、運用者が運用にバイアスを掛けてプラスアルファのリターンを生み出していきます。たとえばこれからの経済情勢の見通しが悪いと判断すれば、現金の保有比率を高めたり、経済情勢に左右されない銘柄に多く投資したりします。もちろん、バイアスの程度は運用規約によって定められています。
パッシブファンドより、アクティブファンドの運用報酬が高い理由がここにあります。リサーチのコスト、運用者の投資の意思決定によるコスト等、が運用報酬に乗っかっているのです。何かを調べるには人的コストがかかり、その意思決定も人的コストが掛かります、また実際に銘柄を執行するのにもトレーディングコストがかかります。
つまりアクティブファンドとは、ベンチマークに対してそのコスト以上にリターンを生み出すことが目的という投資信託といえます。
パッシブファンドとアクティブファンドの年間リターンの差
一般に、同じベンチマークを採用するパッシブファンド=インデックスファンドとアクティブファンドの実際の年間パフォーマンスを比べると、変動の激しい株式でも1%程度です。さらに変動の低い債券だと年間1%変わることはほとんど無いと思います。
投資のリターンを決定する最大の要素はアセットアロケーション
聞き慣れない言葉かもしれませんが、アセットアロケーションとは資産をどのように配分するかという投資の用語です。アセットアロケーションは投資のパフォーマンスの大部分を決定すると言って過言ではない要素になります
100万円を下記の3通りに投資した場合
①株式投信100%
②株式投信50%債券投信50%
③株式投信20%債券投信80%
1年後の株式投信のパフォーマンスが30%、債券投信のパフォーマンスが5%だとします。その場合のポートフォリオの価値は、
①130万円
②117万5千円
③110万円
次に、1年後の株式投信のパフォーマンスが-20%、債券投信のパフォーマンスが0%だった場合のポートフォリオの価値は、
①80万円
②90万円
③96万円
となります。株式の方がリスクが高いので、株式の保有割合が高ければ高いほど、ポートフォリオの変動は高くなることがわかります。
投資信託の選択による影響とアセットアロケーションによる影響
全てのアクティブファンドが、パッシブファンドを年間1%上回ったとしても、投資のリターンへの影響は全体で1%です。しかしアセットアロケーションによる影響は、年間10%以上変わってきます。つまり投資のパフォーマンスはアセットアロケーションの影響がかなり大きいことがわかります。
ノーロードの投信はパッシブファンドが多い
実際に投資信託を投資するにあたって、パッシブファンドとアクティブファンド、それ自体にはどちらがいいかという理由にはならないとは思います。しかし、パッシブファンドは信託報酬(運用手数料)が低いノーロード(取引手数料無料)の投資信託が多いというメリットがあります。投資信託を選ぶにはノーロードの投資信託がいいと思います。
ノーロードを選ぶ理由
ノーロードの投資信託はなにより、将来のリバランスコストが低く抑えられるメリットがあります。リバランスとは、ポートフォリオの投資比率を変えることで、たとえば、株式20%債券80%から株式30%債券70%に変える事を言います。その際取引するにあたって取引コストが低い方が良いので、ノーロードの投資信託を選ぶのがオススメです。
まとめ
ノーロードの投資信託の取引手数料がかからない理由は、信託報酬から仲介業者の証券会社や銀行に手数料が払われているからです。つまり、実際はコストが生まれていることは意識しなければなりません。実際は、ノーロードでしかも信託報酬が低い投資信託は結局パッシブファンドなので、選択肢としてはパッシブファンドを選ぶのが良いでしょう。