2023年7月3週振り返り(知性と教養)


おはようございます!週間ではダウ平均が2.29%高、S&P500が2.42%高、ナスダック総合が3.32%高と主要3指数がそろって反発しました。

注目の6月CPIですが、前年同月比3.0%と予想3.1%前回4.0%を下回りました。CPIコアも前年同月比4.8%と予想5.0%前回5.3%を下回っています。前月比でもCPIとコアどちらも0.2%と年率換算2%台となりポジティブです。また特筆すべきは所謂スーパーコアと言われる住宅とエネルギーを除いたサービス業CPIが4%と2021年末以来低い伸びとなった事と言えるでしょう。

更にスーパーコアは前月比では変わらずまで鈍化しています。此れはISMの価格指数がかなり低下していることからある程度予想はされていましたが、実際に数値に出るとインパクトはあります。しかも此れから住宅価格はその計算方法から確実に下がってきます。今後のディスインフレは順調に進むでしょう。マーケットもインフレ鈍化を好感しS&P500は4500ポイントを上抜けました。

その割には見かけ上雇用が強いです。論理的には、強い雇用は賃金の総量を高め、消費を旺盛にしインフレ上昇に寄与します。ただしその強い雇用も陰りが見えてきたことは確かでしょう。マイノリティの雇用が悪化しています。マイノリティとは黒人、ヒスパニック系、障碍者などの事を言い社会的弱者を示します。その雇用は最後に良化し最初に悪化するのです。そしてそのマイノリティの就労業種はサービス業が多くを占めます。

つまりマイノリティの雇用の悪化はサービス業の悪化そのものなのです。となればFRBが注視しているサービス業CPI、つまりスーパーコアが下がり始めているのも納得できるのです。となれば私は7月の利上げは既定路線だとしても、FRBが示唆している9月の利上げに関しては疑問を持ちます。同様にマーケットも9月利上げには半信半疑です。CMEfedwatchでも9月利上げは半分程度しか織り込まれていません。

ただし、9月に利上げがあろうとなかろうともう利上げ停止が見えていることは確かです。この上昇相場を否定するような材料にはもうならないでしょう。先週も記載した通り、年末にかけては来年の利下げを睨みアップサイドのほうが可能性が高いと考えています。勿論一直線に上昇し続けるとも考えていませんが、長期投資上では買い場を拾えたと考えていてそのスタンスは暫く変えないつもりでは居ます。

懸念材料としては為替、特にドル円があります。日銀のYCC撤廃観測や米国長期金利の低下からドル円が下落していて、外国株投資にはネガティブな状況です。しかし本来為替は長期ではゼロサムゲーム、長期投資上で考慮する要因ではないのです。長期投資とは世界が発展するという前提の元、その恩恵を株式指数の上昇で享受すると言うモノです。つまり株式指数とは長期でプラスサムゲームなのです。

そのプラスサムゲームをリスクをコントロールしながら参加すると言うのが長期投資なのです。繰り返します、為替は長期ではゼロサムゲーム、株式指数は長期ではプラスサムゲーム、それが物事の本質なのです。となれば我々がするべき事は、そのプラスサムゲームに参加し続ける事だと言えます。だからこのゲームではレバレッジとショートは禁忌なのです。其れさえしなければ長い目で資産は減らないからです。

リスクをコントロールするという事はマーケットが下がるときは株式のエクスポージャー下げ、上がるときはエクスポージャーを上げるという事です。それを予測するには、いつも言っています、淡々とした日々の積み重ねが必要です。毎日少しでも良いので情報に触れてください。そして自分で考えてください。それはパフォーマンスが上がるだけでなく、貴方の知性と教養を伸ばしてくれます。其れが何よりも貴方の財産になります。

今週もお疲れさまでした。セカンドハウス件事務所移転が7月22日に決まりました。今の住居と半々の生活をする前提ですが、新しい環境は楽しみです。皆様により良いサービスを提供できるように努力します。来週もよろしくお願いします。良い週末をお過ごしください。