おはようございます!週間では、ダウ平均が4.13%安、S&P500が4.77%安、ナスダック総合が5.48%安とそろって大幅反落。ともに、5週間で4週下落となりました。
注目の8月CPIは8.3%と前回8.5%を下回るも予想8.1%を上回りました。また食品、エネルギーを抜いたコアCPIも6.3%と前回5.9%予想6.1%を上回り、株式市場にとってネガティブな内容でした。特にコアCPIが上振れたのは、インフレは根強い事を説明しており、FRBの利上げが緩むことなく進むことを示しています。またCPIの上振れを受け、CMEfedwatchが切り上がっています。来週21日のFOMCの利上げ幅は75bpsの利上げが優勢ですが100bpsの利上げも20%以上織り込まれました。
更にターミナルレート、つまり利上げの最終位置は4.50%まで上昇しています。私は以前からターミナルレートが低すぎることに言及してきました。わずか1か月前は3.50%だったのです。さらに数か月前は来年の利下げさえも織り込んでいました。これはジャクソンホールから徐々に修正されてきましたが、私は違和感を覚えていました。何故なら8%台のインフレ率を2%台まで抑えるには、3.50%のFF金利では説明がつかないと考えていたからです。
つまり、マーケットは過度に楽観的であったと言えるでしょう。そしてジャクソンホールと8月CPIによって現実に戻されたのです。ただまだ株式市場は下げ余地があると考えています。マーケットはリセッションは買いだと考えているからです。確かに通常の不況時はファクトになれば株式は買いの場合が多いです。何故ならFRBが景気対策として利下げするからです。記憶に新しいのが2019年7月から3回行われた『予防的利下げ』でした。米中貿易戦争の影響から景況感が悪化しFRBは利下げしたのです。
しかし今回はそもそもスタグフレーションです。スタグフレーションとはインフレを伴う景気後退であり、インフレを加速させないためにもFRBは利下げできません。つまりリセッションと違い不況のファクトは株式市場の買い場ではないのです。これから予想EPSの低下、つまりミクロでは企業の下方修正が行われるでしょう。更にISMなどのマクロの景況指数も悪化していくでしょう。しかしインフレが収まらない限りはFRBは利上げします。つまり景況感は悪化の一途を辿る訳です。
そもそも私は昨年10月にインフレ率が高すぎることに言及し、スタグフレーションが起こる事を予想しています。私でさえその当時のインフレ率を憂慮していたのにもかかわらず、パウエル議長をはじめとするFRB高官は『インフレは一時的』と高いインフレ率を一蹴していました。そして緩和が継続、インフレは加速し、株式市場も10月から2か月間バブルが起こりました。これはFRBの舵取りとしては致命的なミスでした。私が言及した時点、つまり10月にピボットしていたら今の状態よりはマシだったはずだからです。
そのミスを取り返すために今FRBは、インフレを抑えるという意思を堅持しなければなりません。そしてそれはやっとマーケットに理解された訳です。つまり景況感が悪くなればFRBが緩和するという淡い期待をやっと否定できたのです。私は此処がやっとスタートだと考えています。これから景況感がミクロでもマクロでも悪化していきます。そして株式市場は更に下落するでしょう。最悪を織り込んだ時、ボトムが来ると考えていますが、コロナショックのようなリバウンドは無いと考えています。
つまり、ボトムを打った後も暫くは戻らないと考えています。何故ならインフレを抑えるために直ぐには利下げできないからです。インフレの恒常化についても以前お話ししました。グローバリズムの後退などの理由から、コロナショックまでの低インフレの時代が終わった可能性があるのです。そうなればFF金利は高水準を維持、ゼロ金利など来る世界ではなくなるのです。つまり株価は停滞すると考えているのです。特に金利に弱いナスダックは高値に戻るまで数年かかるでしょう。
来週21日のFOMCですが、注目はドットチャート、今年のFF金利目標とターミナルレートです。CMEfedwatchでは現時点で12月FOMCでのFF金利は4.25%となっています。ターミナルレートは前述通り4.50%です。これに対してFRBがどう出るかだと思います。個人的にはほぼCMEfedwatchと一致するとは予想しています。つまりサプライズはないと想定している訳です。それよりも注目しているのが、9月末決算が出る10月です。前述の通り下方修正が相次げばEPSが切り下がり株価が下落します。
今週もお疲れさまでした。今週は鍵盤を買いました。バンドの演目の変更があり、折角なら歌いながら弾いてみたいと思ったからです。全くの初心者ですが楽しく練習しています。来週もよろしくお願いします。良い週末をお過ごしください。