2022年8月2週振り返り(悲観と楽観の狭間)


おはようございます!週間では、S&P500が3.26%高、ナスダック総合が3.08%高とともに大幅に4週続伸し、ダウ平均も2.92%高と反発しました。

注目の7月CPIでしたが8.5%と予想8.7%前回9.1%を下回り、株式市場はFRBの利上げペース鈍化を期待し大幅に上昇しています。CMEfedwatchでも9月利上げは50bps利上げが57.5%、75bps利上げが43.5%と拮抗も50bps利上げが優勢となっています。また先を見ると12月までにFF金利を3.50%と見込んでおり、6月FOMC発表のドットチャート3.25%とほぼ一致しています。

ただし問題なのは来年以降で12月の3.50%をピークに利上げ停止を見込んでいることがわかります。これが私がマーケットに対し非常に楽観的だと感じる要因です。最もハト派とされたミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は『インフレ率が目標を大幅に上回っている可能性が非常に高い来年初めに利下げを始めるという考えは非現実的だと思う』と述べ、来年末のFF金利予想を4.4%としています。

これは先ほど述べたCMEfedwatchの3.50%と大きく乖離しています。来年3.50%が利上げのピークだとマーケットは見ており、それが株式市場を押し上げているのです。しかし私はそれは楽観的過ぎると考えています。何故なら債券市場は非常に冷静で、2年債と10年債の利回り格差は41と逆イールドが深くなっているからです。それは来年景気後退が深刻になると示唆しています。

つまり株式市場は楽観的、債券市場は悲観的なのです。この大きな差異がいずれは修正されてくると思います。そしてその修正は株式市場の下落によるものだと考えています。インフレがたとえピークアウトしたとしても、8.5%と非常に高い水準です。それをインフレターゲットの2%まで低下させるにはそれ相応の時間と利幅が必要です。そして利上げの本質は成長にブレーキをかける事です。

つまり需要を低下させ、供給とのミスマッチを是正させます。それは景気後退を必ず生みます。株式市場は、景気後退が起こらず、かつインフレが収まるという都合の良いシナリオを描いています。ではその楽観が何時悲観に修正されるのでしょうか。それは9月のFOMCだと考えています。9月のFOMCではドットチャートが発表されます。特に注目なのは来年のFF金利見通しです。

それがCMEfedwatchの示す3.5%で利上げ停止を否定すると考えています。そこで株式市場と債券市場の見方が一致するのです。ただし、9月FOMCまでまだ1か月以上残されています。それまで雇用統計とCPIが一回ずつ、またジャクソンホールもあります。そこでマーケットは揺れながらも、大きな流れの変化を待つと考えている訳です。確かに私はこの上昇相場についていけませんでした。

結果論からすれば相場を外しています。しかし今回は後悔はしていません。ベストエクスキューション、最良執行をしたと考えています。6月の底値で買う理由がなかったからです。そして今も相場に対して弱気の見通しを継続しています。いずれ株式市場は下がります、それが訪れるまで暫く我慢の時です。長期投資ならばこの上昇についていく必要はないと考えています。

今週もお疲れ様でした。今週はPC環境を刷新しました。良いノートパソコンを買ったのでモニターを追加し5枚としました。3つは相場モニタリング用、1つは作業用、そしてもう一つは遊び用、と作業効率が格段に上がりました。またスマホも古いので買い換えようと思っています。出費がかさみますが新しいモノを買うのは嬉しいですね。来週もよろしくお願いします。良い週末をお過ごしください。