2024年11月2週振り返り(トランプトレード)


おはようございます!週間ではダウ平均が4.61%高、S&P500が4.66%高とともに3週ぶりに反発し、ともに2023年11月以来の大幅高を記録。ナスダック総合も5.74%高と大幅反発し、小型株指数のラッセル2000は8.57%高と大幅に2週続伸しました。

今週はイベントが多い週でした。FOMCはFF金利を4.50%とし25bpsの利下げ、声明文では『インフレが持続的に2%に向かっているというより大きな確信』という一行が削除され、次の政策によりオープンな印象を受けました。実際インフレ鈍化が逓減しており、また景況感も10月ISM非製造業景況指数が56.0と大きく拡大している為、12月の利下げの確率は73.5%に低下しています。最後の2%への道はかなり厳しいものとなってきました。

最大の注目イベント、大統領選挙ですがトランプ前大統領が当確しました。選挙プロセスの混乱もなく安心できたこともあり当日ダウは1500ドル上昇しています。トランプ前大統領の政策方針はおおまかに、減税、規制緩和、関税の強化です。そのいずれも物価には上昇圧力が加わります。つまりインフレ再燃が懸念されるのです。その理由から債券利回りは急上昇し4.5%前後を付けました。また規制緩和期待から小型株がアウトパフォームしています。

更に銀行株も目立って上昇、テックよりシクリカル・バリューが恩恵を受けました。個別では、ARKK、JPM、TSLA、CATのような銘柄が急騰しています。そして私は大統領選挙の結果を受け11月7日に相場見通しを変更しました。元々推奨ポートフォリオはMSCIコクサイ25%先進国債券50%(為替ヘッジ有)現金25%とかなりディフェンシブなものでした。変更に伴いまず株式部分に関しては25%で問題ないと考えています。

何故ならバリエーションが高すぎるからです。既にS&P500のPERは25倍と限界まで膨れ上がっています。此処から買い進めるのは得策ではないと考えています。債券部分に関しては、トランプ前大統領が当確したことにより、財政拡大と景気浮揚が推測されます。それは特に長い部分の債券利回りの上昇という帰結に達するのです。また短い部分は利下げにより低下していきます。となるとイールドカーブはスティープニングが進む訳です。

つまり債券のクッションの役割が低減されていく可能性が高いです。その為債券部分は50%から25%に減らしています。そうなると株式25%債券25%現金50%と言うポートフォリオになりますが、前述のインフレ再燃が懸念される中、インフレをヘッジしきれません。その為、FF金利低下に親和的で、インフレヘッジになるグローバルREITを15%加えることにしました。

つまり株式の見通し的にはバリエーションが高すぎる為少な目、それに対しての債券でのヘッジ、加えてインフレヘッジの為のグローバルREIT、そしてキャッシュというポートフォリオを組んだのです。結局、推奨ポートフォリオはMSCIコクサイ25%グローバルREIT15%先進国債券25%(為替ヘッジ有)現金35%と言う形になりました。キャッシュも多めがいいと思います。

もしかしてインフレ再燃の場合は株安債券安の2022年が再来してしまうかもしれません。兎に角、繰り返し言う通り今は攻める時ではありません。もっと分かりやすい相場環境に戻ってくるまでは様子見姿勢を崩しません。昨年と今年のパフォーマンスは合わせて30%です。この2年で十分取れました。頭と尻尾はくれてやります。そして先週の振り返りのタイトル通り私は傍観者となるのです。

今週もお疲れさまでした。いよいよバンドのレコーディングが週末に迫ってきました。全てが初めての体験で楽しみにしています。来週もよろしくお願いします。良い週末をお過ごしください。