2024年7月2週振り返り(分散投資)


おはようございます!週間ではダウ平均が1.59%高、S&P500が0.87%高とともに2週続伸し、ナスダック総合は0.25%高と6週続伸しました。

注目の6月CPIは前年同月比3.0%と予想3.1%前回3.3%を下回りました。また前月比では‐0.1%と予想0.1%前回0.0%を下回り、パンデミックで経済封鎖した2020年5月以来のマイナスでした。コアも前年同月比3.3%と予想3.4%前回3.4%を下回り、総じてインフレ鈍化が順調に進んでいる事が示されました。雇用が鈍化傾向だったことからある程度は予想できましたが、利下げの下準備が整ったと言って過言ではないでしょう。

実際CMEfedwatchでは9月利下げが90%以上を示しており、更に今年3回の利下げまで織り込んでいます。マクロとミクロ両面で経済が軟化していることがその理由です。具体的にマクロではISM製造業景況指数などの経済指標は弱含み始め、ミクロでは食品大手2社のペプシコとコナグラが弱めの決算を示し、米消費者が圧力にさらされているとの見解を述べています。つまりこれ以上5.25%と言うFF金利の据え置きを正当化できないのです。

先週も述べた通りFRBのデュアルマンデートは雇用の最大化とインフレの安定です。インフレが落ち着いてきた今、雇用の鈍化を最小限に食い止める必要があります。だから9月利下げが正当化されるのです。さて、我々は基本的に資産クラスを分散して投資しています。分散投資の効果はポートフォリオ全体の変動性を減らし、リスク当たりのリターンを増やす効果があります。一般的にはシャープレシオが上がる効果がるとも言い換えられます。

しかし、現在のS&P500は、上位銘柄にIT株が占める割合が高く、世界の株価指数との相関性も高いです。また、金利に対する感応度が高く、配当利回りもかつてほど安定していません。このことは、1970年代に分散投資の問題に対処するために有効だった「株式60%・債券40%」のポートフォリオが、もはやうまく機能しないことを意味しています。投資家が数年前と同じような分散効果を望むなら、工夫が必要になります。

具体的には、株式や債券だけでなく、コモディティー(国際商品)やオルタナティブ資産、その他の無相関あるいは低相関の資産クラスも組み入れるなどです。実際我々も伝統的資産の株式と債券だけではなく、金をポートフォリオに入れています。また2022年は株と債券が同時に下落しており、運用にはかなり厳しい年がありました。それだけ各資産クラスの相関性が高まってきている訳です。

何が言いたいかというと、それでも分散投資は有効だという事です。またマーケットの方向性は予測できます。基本を60/40とし株価が下落すると想定すれば30/70等に変更してポートフォリオのダメージを和らげることが出来ます。細かな調整こそがポートフォリオ全体のリスクを押さえリターンを極大化する事なのです。実際2019年2月から先月末までのファンドの設定来リターンは72.00%です。

また年次平均リターンは10.56%、年次標準偏差は8.36%で、此処から計算されるシャープレシオは1.26となります。シャープレシオは時期にもよりますが一般的に1以上なら優秀だと言われています。つまり我々が行ってきたポートフォリオマネジメントはそのリターンも大きいですが、リスクも最小化出来て来たと言えるでしょう。いずれにせよ私は運用を続けパフォーマンスを上げ続けるよう努力していきたいと考えています。

今週もお疲れさまでした。今週もプライベートで色々ありましたが、良い経験だと思い、楽しみながら生活しています。息切れせず頑張って行きたいと思います。来週もよろしくお願いします。良い週末をお過ごしください。