2023年10月3週振り返り(ただただ厳しい)


おはようございます!週間ではダウ平均が0.86%安と反落し、S&P500が2.39%安と3週ぶりの反落。ナスダック総合は3.16%安と2週続落しました。

ただただ厳しい、状況は理解しています。長期金利が上昇して株価が下落しているのです。長期金利の上昇の理由は景況感の良化と財政規律の悪化です。特にイスラエル、ウクライナ支援などの為にバイデン大統領は1060億ドルの緊急予算案を要請しているように財政規律の悪化は歯止めが効かないように感じられています。また下院議長の選出も不透明感を増していて、政府閉鎖への警戒感もあり米国債の信用度が下がっていることも要因です。

景況感の良化は良い金利上昇、財政規律の悪化は悪い金利上昇、と言えますがその両方の要因で長期金利の上昇は説明できるのです。いずれにせよ長期金利は一時5%をタッチしました。そうなると当然株価は下落します。特に厳しいのが、ハイパーグロース株と配当株です。特に配当株は、10年債を買えば5%ほぼ無リスクで10年間運用できるため、その意義が薄れてきています。

また金曜日はGAFAMさえ下落して終えています。それはイスラエル問題が複雑化する中、週末のリスクを負いたくない向きがポジションを解消したことが要因です。何処にマネーが逃げているかも理解しています、現金です。正確に言うと譲渡性預金(CD)やT-bill、MMFです。これらの商品は半年ほぼ無リスクで年利5%以上のリターンが得られます。つまり株式と債券両方からお金が逃げ現金に集まっていることが分かります。

また木曜日のパウエル議長発言も重しでした。それまでFRB高官は長期金利の上昇は金融環境のタイトニングを示しており、追加利上げの必要性が薄れたと発言するようになりました。パウエル議長もそこは同じでしたが、長期金利の上昇に関しては『見守るしかない』と警戒感を示さなかったのです。個人的に長期金利の上昇に関して、地銀のバランスシートと商業用不動産を不安視しています。

今年3月の銀行危機は地銀が保有する債券の評価損がフォーカスされました。其れがこの長期金利の上昇によって再燃する可能性があります。また商業用不動産はローンを組んでおり借り換えにより借入金利に耐えられない物件が多くなっています。そして商業用不動産は主に銀行が保有しているのです。此れは確かに金融環境をタイトニングさせると言えますが、あらぬ危機を招く可能性があります。

ここで消費は強く景況感は良いです。それだけが金利上昇の要因なら成長が金利に打ち勝つ世界に自信が持てます。しかし、イスラエル問題や財政規律の悪化が状況を複雑に絡み合わせています。個人的にはまだ強気を維持していたいとは考えています。いずれそれらの問題は解決していくからです。イスラエル問題もいずれは落ち着くところに落ち着くでしょう、下院議員もいずれは決まるでしょう。

そしてそれらが解決すればセンチメントは良化していきます。また来週以降はGAFAMの決算があります。強い成長が確認できれば、状況は変わってくると考えています。其処に私は期待しています。ただし長期金利の動きに振り回される日々はもう少し続くと考えています。私もあまり良い気分ではありません。ただ出来る事は現状を理解し、そして投資判断に結びつける事です。私はそれを続けていきます。

今週もお疲れさまでした。浦和のセカンドハウス件事務所を引き払い実家の川口に戻る事にしました。結果3ヵ月の居住でしたが、沢山の変化がありとても良かったと思っています。気持ちよく実家に帰ろうと思っています。来週もよろしくお願いします。良い週末をお過ごしください。