2023年9月5週振り返り(生みの苦しみ)


おはようございます!週間ではダウ平均が1.34%安と2週続落、S&P500が0.74%安と4週続落となったが、ナスダック総合は0.06%高とわずかながら4週ぶりに反発しました。

注目のPCEデフレーターは前年同月比3.5%と予想3.5%と一致も前回3.4%を上回りました。コアは前年同月比3.9%と予想3.9%と一致も前回4.3%を下回りました。原油の上昇によりインフレ率鈍化のペースは低減していますが、順調にコアは下がっているという事が言えます。インフレ指標の発表はイベントとして以前よりマーケットの反応も限定的になり、またインフレ鈍化は順調だという事が伺えます。

さて、今週は金利上昇がマーケットを圧迫した週でした。私は此れを生みの苦しみだと考えています。順を追って説明します。昨年も今年も10年債利回りは上昇しています。ただし昨年は2年債利回りの上昇に引っ張られた格好でしたが、今年は30年債利回りに引っ張られ上昇していると言う差異があるのです。2年債利回りは政策金利を色濃く反映します。つまり去年は政策金利上昇の影響により10年国債利回りが上昇したと言えるでしょう。

一方今年は2年債利回りはほぼ変わらずで推移していますが、30年債利回りが4.7%まで上昇しています。それが今年10年債利回りを上に引っ張っている要因なのです。30年債利回りは①期待インフレ②景況感を色濃く反映しています。つまり高インフレ、高成長の時代を示唆しているのです。それはリーマンショック後からコロナショックまでの低金利、低成長の時代が終わったという事を表しています。

もう少し具体的に言うと、リーマンショック後から2015年12月まで約7年間のゼロ金利のような時代は終わったという事が言えるでしょう。マーケットは覚悟しなければならないのです、低金利、低成長の時代が終わったことを。つまり高金利に慣れなければなりません。その過程でマーケットは今ガタついているのです。私は株価に関して今は強気です。高金利、高成長の時代が訪れると考えています。

つまり高金利にも耐えうる成長が株価を押し上げるのです。更に来年は何時かは分かりませんが、確実に利下げがあります。その為バリエーション、つまりPERは上昇する可能性が高いです。繰り返しますがマーケットは高金利に慣れなければなりません。それが前述した生みの苦しみなのです。ところでインフレ率はピークの9%台から3%台まで下がりました。危機的な状況は終わったと言えるでしょう。

しかし此れからのインフレ鈍化のペースは低減していくと推測されます。原油高もその要因であらゆる製品やサービスの根源となっているからです。更に今話題になっている自動車労働組合のストに見られるように賃金上昇圧力がインフレ鈍化の妨げになる可能性は高いです。そして其れがFRBの利下げの時期を後ずれさせる要因になるでしょう。しかしながら5.25%と言う政策金利は確実に中立金利を上回っています。

つまり景気を鈍化させ、インフレを低減させる効果があります。ですから後は時間が解決していくだけなのです。去年の政策金利のピークも見えずに75bpsの利上げを繰り返したような状況ではなくなりました。利上げもあって後1回、来年は利下げという事を考えると、長い目で見れば此処から売り込むようなことは難しいと判断しているのです。ですから私は最近の下げに関して最後の買い場だと思い、エクイティのエクスポージャーを最大にしました。

今週もお疲れさまでした。求職活動を始めましたが、それが自分を見つめ直す良いきっかけとなりました。自分が何者で、何を目指すか、問い直す良い機会となったのです。また相談に乗ってくれる方も沢山居て、それなしでは辿り着けない結論に達したことに感謝しています。来週もよろしくお願いします。良い週末をお過ごしください。