2023年9月2週振り返り(丁度1か月前)


おはようございます!週間ではダウ平均が0.75%安と反落し、S&P500が1.29%安、ナスダック総合が1.93%安とともに3週ぶりに反落しました。

丁度1ヵ月前、8月2週振り返りではリスクシナリオとして2つの懸念について記載しました。1つ目は中国、2つ目は原油です。そのどちらも状況は良くありません。まず中国、景気後退を懸念してドル人民元が7.3267と2007年以来の元安が進んでいます。為替は株よりもその強さの正確性を表し、国力そのものと言えます。特に中国では株価対策等の政策に寄り株価は押し上げられる事がありますが、為替は2国間のモノなのでパワープレイが効きません。

それは日本にも言えます。幾ら為替介入をしようとも一瞬の効果はあるでしょうが、ファンダメンタルに従ってドル円は動いて行きます。話は逸れますが、為替の決定要因はまず2国間の金利差、次に2国間の景況感の差、が変化する事に寄ります。今日米間の金利差の方向はドル金利が高い状態が続き、あまり変化ありませんが、米国は景況感が強いです。だからドル円は強いのです。

話は戻り中国、不動産開発業者やそれに伴うシャドーバンキングがまず懸念材料ですが、そもそも人口問題、若者の失業率が20%越え、雇用のミスマッチ、デレバレッジ、その他問題が山積みです。勿論米国にとってのデリスキング対象として、インドなどに生産拠点を移す動きも問題を深刻化させています。デカップリングとは言わないものも米国をはじめとする各国の中国離れは確実に起こっています。

それにより株価が重くなってきているのはまず欧州です。カルティエのフィナンシエール・リシュモン、ヴィトンのLVMH、など欧州高級ブランドはピークから250億ドル(約3兆6900億円)時価総額を消しています。またドイツは工作機械、自動車、化学、を中国に輸出しています。そのドイツの景況感は最悪で製造業PMIは好不調の境目の50を優に割り込み30台となっています。

日本にも影響があるでしょう。日本は自動車を米国に、工作機械を中国に輸出している国です。その中国の工場回りが悪化すれば日本の工作機械は不調となっていきます。実際これだけ日本株が好調なのにもかかわらず、ファナックの株価は6月の5200円台から現在4100円台まで下落しています。日本株は盛り上がっていますが、中国との株価と言う意味でデカップリングはあり得ず33000円は重いと考えています。

次に原油、連日の年初来高値更新が続いています。週半ばには、サウジアラビアが日量100万バレルの自主減産を12月まで継続する方針を発表、ロシアも日量30万バレルの輸出削減を年内続けると明らかにしました。まず供給サイドでタイトニングが続いています。またこれだけ米国景気が良いと需要サイドでも強い可能性が高いと推測できます。そもそも原油は移動手段としての需要があります。

ただその他にも、工業製品の原材料やあらゆるエネルギーの源泉であり、原油価格の高騰は価格転嫁によって財のインフレのプレッシャーになるのです。経済が好調なことによって原油価格が上昇するのは悪くない事です。しかし此処まで上がってしまうと足元のインフレ鈍化のペースは緩む訳で、将来の利下げの時期が遅くなってしまう可能性が高いです。しかし私はその懸念を乗り越え株価は上がっていくと考えています。

その根拠はインフレの鈍化による利上げ停止、更には将来の利下げによる景気下支えです。データ次第とは言えますが、各国の利上げ姿勢が緩んできました。BOEはインフレは年内に「著しく」低下する公算が大きく、政策金利をさらに引き上げる必要はなくなった可能性があるとの認識を示しています。つまり利上げ停止です。ECBもこのPMIだと9月利上げはかなり厳しい状態です。

FRBもそうです。失業率が3.8%まで悪化し、6月のドットチャートの4.1%が見え始めていて、更に足元のインフレは鈍化している。9月は利上げ無しがコンセンサスですが、11月も利上げ無しがコンセンサスになってきています。そうなれば7月の5.25%への利上げがターミナルレートだったという事になりそうです。もう本当に利上げは終わりなのです。あとは様子を見ながら利下げのタイミングを探る、それならば株価は売り込めない、そう考えています。

今週もお疲れさまでした。少し調子に乗り過ぎました。何というか投げやりな人生を辞めたいと本気で思っています。その為に結婚相談所に申し込みました。ストッパーになってくれるパートナーを求めています。来週もよろしくお願いします。良い週末をお過ごしください。