おはようございます!週間ではダウ平均が0.62%高と反発した一方、S&P500が0.31%安、ナスダック総合は1.90%安とともに2週続落しました。
注目の7月CPIは前年同月比3.2%と予想3.3%を下回るも前回3.0%を上回りました。コアCPIは前年同月比4.7%と予想4.8%前回4.8%を下回りました。また前月比ではCPIもコアも0.2%と予想通りでした。ここで前月比0.2%と言う数値は非常に重要です。何故ならFRBのインフレターゲットは2%で、年率換算でインフレ率が2%台をキープしていると言う意味だからです。総じてディスインフレは順調に進んでいるという事でしょう。
株価についても9月FOMCまでS&P500は4500前後、年末にかけて5000を目指す展開をメインシナリオとしています。但し懸念材料も2点あります。1点目は中国経済です。その中国経済は2つの懸念材料があります。1つ目は不動産、2つ目はデフレです。1つ目の不動産に関しては人口問題もあり物件がダブついています。そして不動産価格が伸びません。そうすると企業や個人は負債の返済を急ぎます。つまりデレバレッジです。
その場合、金融政策の感応度が低くなります。つまり金融緩和しても借金を返済する為、新たに信用供与が生まれないのです。そうなると不動産開発業者の破綻懸念に繋がるのです。2つ目のデフレについて、原因は余剰生産能力になります。コロナ禍の巣ごもり需要で中国は工場設備を増やしました。そしてその設備が今余っているのです。稼働するためには、国内需要では補えず、生産価格を下げなければなりません。
それがデフレの要因なのです。この中国の不動産、デフレの懸念材料がどの様に世界経済に影響するかは注視する必要があると思います。次の懸念材料は原油価格です。原油価格の需要サイドは二つの因数によって決まります。まず米国の移動需要、次に中国の生産です。米国の移動需要はサマーシーズンにも関わらず伸びていません。また中国の生産については前述の通り低調です。
そうなると需要サイドでは原油価格は上がる要因がないのです。また供給サイドではサウジやロシアの減産やウクライナ戦争の懸念という要因はありますが、そこまでインパクトはないと考えています。其れにも関わらす、原油価格は9か月ぶりの高値を更新しています。原油はあらゆる原料にもなりエネルギーコストそのものです。それがインフレ鈍化を低減させる可能性があり懸念しています。
但しこの二つの懸念も杞憂に終わる可能性は高いと考えています。其れよりは長い目で見てインフレ再燃をリスクシナリオとして考えています。来年行われるであろう利下げまではそれを織り込み株価は堅調だと想定しています。しかし、実際に利下げが行われ経済が活性化した場合インフレが再燃する可能性があるのです。その場合利下げ停止若しくは再利上げが選択肢になってしまいます。
それを防ぐにはFRBの微妙な舵取りが必要です。出来るだけ利下げを引き延ばし、景気後退が起こるギリギリの所で利下げを開始しなければなりません。また注意する点は中立金利がどの位置にあるかです。つまり景気を抑制も加速もさせないFF金利の地点がどこなのか分からないのです。但し少なくともグローバリズムの後退等の理由から中立金利は以前より高い位置にある可能性が高いです。
ですからFF金利も以前より高い位置、つまり3%以上までしか下げられないかもしれません。この話は将来の話で不確定要素が多いです。但しその場合は投資行動としてまた弱気に転換しなければならない為、リスクシナリオとして頭に入れておく必要があると思います。いずれにせよ我々は先の事は分かりません。今適切なアセットアロケーションをし続けることが大切です。
今週もお疲れさまでした。セカンドハウス件事務所のつもりが独り暮らしとなるほど引っ越し先が居心地が良いです。何より私は寝るリズムが壊れているので、夜寝れない時は飲みに行く場所があります。引っ越して本当に良かったです。来週もよろしくお願いします。良い週末をお過ごしください。