2023年5月2週振り返り(違和感)


おはようございます!週間ではダウ平均が1.11%安、S&P500が0.29%安とともに2週続落した一方、ナスダック総合は0.40%高と3週続伸しました。

注目の4月CPIですが前年同月比4.9%と予想5.0%前回5.0%を下回りました。コアCPIは前年同月比5.5%と予想5.5%と一致も前回5.6%を下回りました。マーケットはポジティブに捉え株価は上昇しています。しかし私は何かこの楽観的なマーケットに違和感を覚えています。インフレ率は足元、確かに鈍化しています。そして先週の雇用統計も好調で失業率は数十年ぶりの3.4%を示しています。

マーケットは雇用の悪化無くインフレの鈍化が実現することを期待しているのです。更に9月に利下げを織り込んでいます。そもそもFRBのデュアルマンデートは雇用の最大化とインフレ安定で、雇用が悪化していないのに利下げすると言う、私からすれば謎の楽観的な期待が広がっています。確かに来年には利下げがなされるでしょう。24年のS&P500の予想EPSは250です。

そして緩和を織り込んだPERが20倍だとすると、S&P500は5000ポイントとなって、高値を更新してしまいます。私は持たざるリスクを意識しています。ただし、それは少し早すぎるのではないかと考えているのです。少なくとも今はマーケットが楽観的だと思い様子見をしたいのです。また足元では債務上限問題が意識されるタイミングが近づいてきています。

実際にデフォルトになる可能性は限りなく低いですが、何が起こるか分かりません。少なくとも債務上限問題が解決するはずの6月1日まではエクイティのエクスポージャーを上げる状況にはないと考えています。他気になるトピックとしてはまず中国のインフレ率が挙げられます。中国の4月CPIは前年同月比0.1%と予想0.4%前回0.7%を大幅に下回りました。またPPIも前年同月比‐3.6%と予想‐3.2%前回‐2.5%を下回っています。

明らかに中国はデフレになっています。中国経済の鈍化と言う意味では香港ハンセン指数が軟調な事からも推測できますが、ポジティブな面もあります。それはデフレの世界への輸出です。中国は未だ世界の工場、その中国製品が世界に輸出されることにより欧米のインフレ率鈍化に影響すると考えられるのです。そういう意味で中国のインフレ率を注視していく意味はあると思います。

次の話題は、株価の二極化です。ナス100は昨年8月以来の高値を更新しています。そしてラッセル2000などの小型株は軟調です。私は以前二極化について言及しましたが、その傾向が強くなってきています。キャッシュリッチ、AIのテーマ、と強く時価総額の大きい銘柄、つまりGAFAMだけが強いとも言えるでしょう。ただし危うさも感じられます。一部の銘柄だけ強い相場は頼りないのです。

今株価はこの二極化により全体では方向感があまりありません。この二極化がどちらの方向に吊られていくのか、今の所GAFAMに吊られて堅調ですが、下に吊られる可能性もあります。それは地銀問題を発端とする信用収縮がどの程度マーケット全体に波及するかを見極める作業とも言えるでしょう。今週の振り返りは散文的でありましたが、気になるトピックを並べてみました。

今週もお疲れさまでした。ついにATSバンドライブが来週末に迫ってきました。その前に母親と二人で15日に一泊二日で湘南に旅行に行ってきます。母も楽しみにしてくれています。私もゆっくり過ごしたいと思います。来週もよろしくお願いします。良い週末をお過ごしください。