2023年5月1週振り返り(3つの問題)


おはようございます!週間では、ダウ平均が423.78ドル安(-1.24%)、S&P500が0.80%安とともに反落した一方、ナスダック総合は0.07%高とわずかながら2週続伸しました。

今週は注目指標が多く発表されました。まずISM製造業景況指数は47.1と予想46.7前回46.3を上回りました。またISM非製造業景況指数は51.9と予想51.8前回51.2を上回っています。そして雇用統計、非農業部門雇用者数は25.3万人と予想18.0万人前回16.5万人を上回り、失業率は3.4%と予想3.6%前回3.5%を下回り、平均時給は前年同月比4.4%と予想4.2%前回4.3%を上回る、非常に強い結果でした。

経済が強い事は悪いことではないのですが、雇用の悪化が見られず、それはインフレ鈍化の低減に繋がるので良い状況ではないと考えています。FRBのデュアルマンデートは雇用の最大化とインフレの安定です。インフレが安定しなければ、つまり2%に達成する道筋が見えなければ、利下げは無いのです。そう考えると注目すべきはインフレ指標そのものです。来週のCPIに注目が集まります。

今週はFOMCもありました。まず追加利上げに含みを持たせつつ、利上げの停止を示唆しています。そして当分利下げはないと言及しました。サプライズは特にないと考えています。またアップルの決算も注目されていましたが、非常に好調な内容でした。スマホ需要が半導体メーカーのクアルコムの決算などから不調とされていましたが、高級品のiPhoneはその影響が少なかったようです。

最近マーケットには話題が多く複雑に問題が絡まっています。それを私は3つに分解して考えています。まずは先週の振り返りで取り上げた債務上限問題です。此れは期限が6月1日と確定したのでそれまでは株式市場は軟調に推移すると考えています。次に銀行問題、此れは非常に複雑です。まずファースト・リパブリック銀行がJPMに吸収されても、問題の本質は全く解決していないのです。

マーケットは次に問題のある銀行をターゲットにして、その株価が下がります。そうなるとまた預金流出が起こり、破綻の道へ進みます。問題は終わらないんです。マーケットは一つが破綻するとまた次の銀行を探すからです。そしてそんな中、信用収縮が起こります。こんな状況下では融資の審査は厳格になるからです。特にスタートアップ企業のような資金需要が強い企業には厳しい環境でしょう。

それがマーケット全体に波及するかはまだ私には分かりません。つまり好調なGAFAM、軟調な銀行株や小型株、この綱引きがマーケット全体に起こっているのです。そして3つ目がFRBとマーケットとの利下げ予想の乖離です。2つ目の地銀問題もあり、マーケットはFRBに早ければ7月にも利下げを要求しています。そしてFRBは頑なに今年の利下げはないと宣言しています。

此れが時間が経てばいずれにせよ結果は出ます。多分FRBの姿勢、つまり利下げは当分ないという事になるとは考えています。そうなるとマーケットは失望感から崩れる可能性が高いです。先程言った通り、FRBのターゲットはインフレ率であり景況感ではないため、インフレ率が安定しないと利下げは出来ないのです。となると一つ目の債務上限問題が解決する6月1日が来れば株は買いかは疑問です。

今週もお疲れさまでした。今週は久しぶりにトレードをしました。今月母と湘南に旅行に行くのですが、運良くその旅費を稼ぐことが出来ました。マーケットには感謝しかありません。来週もよろしくお願いします。良い週末をお過ごしください。