2023年4月5週振り返り(債務上限問題)


おはようございます!週間では、ダウ平均が0.86%高、S&P500が0.87%高、ナスダック総合が1.28%高とそろって反発しました。

今週は色々ありました。まず指標、PCEデフレーターは4.2%と予想4.1%を上回るも前回5.1%を下回りました。PCEコアデフレーターは4.6%と予想4.5%を上回るも前回4.7%を下回りました。インフレ率は順調に鈍化している印象です。そして決算、ハイテク大手はリストラの効果もあり堅調に数値を出しています。マイクロソフト、メタはかなり好調、アルファベット、アマゾンもそれなりの決算でした。

それを受けマーケットは堅調に推移、ナス100は13000ポイントを回復しています。そして日銀政策決定会合、初の植田総裁の元、マイナス金利とYCCの現状維持を発表しています。事前に発言していた内容と祖語はなく発表自体にサプライズはなかったものも、YCC解除の思惑を否定し発表後円安に振れています。ドル円は136円台、ユーロ円も2008年10月以来の150円台を記録、円独歩安となりました。

さて、私は先週4月18日相場見通しを中立に変更しましたが、今週4月26日弱気に戻しています。基本的にあまりポートフォリオを頻繁に変更するのは嫌いですし、しっかりと先を見て相場見通しをしているつもりです。しかし新しいファクトが出ると変えざるを得ません。そのファクトとは債務上限問題です。私は正直債務上限問題を軽視していました。しかし色々調べると事態は深刻になりそうです。

そもそも債務上限問題とは決められた予算を執行するために起こる問題です。米国の債務には上限が設けられており、その上限に達すると政府は何もできなくなり、デフォルトします。それを回避する為に議会がその上限を更新しなければなりませんが、政府と議会にねじれが生じると、政府と議会の交渉のネタにされてきたのです。最近だとトランプ前政権下で3回起こりました。

その時は民主党が野党でありそこまで混乱せず終わっています。しかし今回は共和党が野党で財政緊縮派です。バイデン政権が執行してきたバラマキ政策を是正するために、期限ギリギリまで粘る可能性が高いです。そうなると期限切れになりテクニカル・デフォルト、つまり意図せざる破綻が起こる可能性があります。マーケットはそれを織り込み始めました。米国ソブリンCDSが上がり始めています。

CDSとはクレジット・デフォルト・スワップの略で破綻した場合の保険料のようなものです。それが2011年の債務上限問題が問題になった時以来の高い数値を示しました。私はそれを見て相場見通しを変更したのです。実際のXデー、つまり債務上限問題が期限切れになる日はまだ発表されていません。ただしXデーが近づけば混乱は必須でそれは遅くても8月、早ければ6月にやってきます。

そのXデーまでは相場見通しを弱気で維持しようと考えています。FRBの金融政策も重要ですが、この債務上限問題はそれほどマーケットインパクトがあると考えています。さて、来週はFOMCですがとても重要なFOMCになりそうです。3月のFOMCで示したターミナル・レート、利上げの最終地点は5%です。そして今回25bps利上げするとそのターミナル・レートに辿り着くのです。それは利上げの停止を意味します。

そしてパウエル議長が利上げを停止すると明確に発言するかどうか、そこに注目しています。また可能性は低いですが、データ次第で利上げを継続すると発言する可能性もあります。利上げの停止時期はいつもより更に予測が困難で、私もどうなるか予測できません。ですから5月3日FOMCをしっかりと見守ろうと考えています。重要なターニングポイントになり得るからです。

今週もお疲れさまでした。相場的には少し慌ただしい週でした。相場見通しも修正し個人的にもストレスが掛かりました。週末ゆっくり過ごし疲れを癒したいと思います。来週もよろしくお願いします。良い週末をお過ごしください。