2023年2月4週振り返り(金融環境の緩み)


おはようございます!週間ではダウ平均が1,009.77ドル安(-2.99%)と大幅に4週続落し、S&P500も2.67%安と3週続落。ナスダック総合は3.33%安の大幅反落となりました。

注目の1月PCEデフレーターは前年同月比5.4%と予想5.0%前回5.3%を上回りました。また前月比でも0.6%と予想0.4%前回0.4%を上回っています。コアは前年同月比4.7%と予想4.3%前回4.6%を上回りました。また前回値も上方修正されています。長期金利は当然上昇し4%に迫る勢い、CMEfedwatchではターミナルレートが5.25%を示し年内利下げの織り込みもなくなりました。

株価もやっと下へ反応し、S&P500は4000ポイントを明確に下回りました。結局、FRBのピボットを信じたマーケットは今の所間違っていたわけです。此れだけインフレ低減の鈍化が明確になれば、年内利下げの可能性は限りなく低いとマーケットは降伏しました。そもそもFRBが幾ら、年内利下げはないと言ってもマーケットは全く織り込まなかった根拠はデータでした。

インフレが鈍化すると信じていたのです。更に雇用が良化して失業率が3.4%まで低下しても、インフレが下がり続けると言うノーランディングまで織り込んでいました。しかし此処へきてインフレデータが思った通りに下がらない、むしろ上昇してしまった訳です。それはFRBはデータ次第、インフレが下がっているなら利下げする、そんな甘い展開を夢見ていたマーケットを崩すには十分でした。

私は2月1週振り返りでS&P500の4100‐4200は高すぎると明言しています。まずバリエーションが高すぎました。PERが20倍近くまで膨らんでいたのです。それは金融政策が緩和的ならギリギリ織り込めるバリエーションでした。しかし今は利上げの段階、少なくとも緩和的ではありません、高くても18倍程度だと考えた訳です。次に雇用、失業率が3.4%の時点でインフレが収まるわけがないのです。

それが意味不明なノーランディングと言う言葉の矛盾を示しています。そもそもFRBのデュアルマンデートは雇用の最大化とインフレの安定です。その二つは同時に良化しません。シーソーゲームなのです。雇用が良化すればインフレも上昇する、そう言う仕組みになっているのです。FRBは伝統的にこの二つのバランスをとるために存在するわけで、雇用が完全雇用なのにインフレが低下する、そんな甘い話はある訳がないのです。

そしてマーケットはやっとデータに降伏しました。しかし私はまだ株価は高いと考えています。それはビットコインやARRK、テスラの水準がまだ甘いからです。これらの資産は、マーケットのリスク許容度、つまり金融環境の緩みを表しています。そして此れから金融政策は更に引き締められていく最中で、これらがまだ高い水準をキープしているという事はまだまだ金融環境は緩んでいるのです。

しっかりと金融環境が引き締まらないと、インフレは収まりません。繰り返しますがノーランディングと言うような意味不明の甘い話は起こらないのです。マーケット参加者として株価はまだ高いと考えていますが、私が切に願うのはインフレが早く収まって欲しい、世の中が良くなって欲しいと言う事です。その為にしっかりとFRBはタカ派を貫く必要があります。中途半端な政策はインフレを長引かせるだけだからです。

今週もお疲れさまでした。今週末は遂にATSバンドのリハがあります。10か月かけて5曲覚えてきました。その確認をします。ライブまで後3か月となりました。気合いが入ります。来週もよろしくお願いします。良い週末をお過ごしください。