2023年1月3週振り返り(PER×EPS)


おはようございます!週間ではダウ平均が2.70%安、S&P500が0.66%安とともに3週ぶりに反落した一方、ナスダック総合は0.55%高と3週続伸となりました。

昨年1月S&P500が4800ポイントの高値を付けた時のPERは約22倍でした。その頃金融環境は超緩和状態、その高いPERは正当化されていました。PERとはEPSの何倍を株価が示しているかの指標です。それは金利依存、つまりFRBの緩和引き締め度合いによって決まります。昨年株価は下落の一途を辿り、今はS&P500は3900ポイント、PER約17倍を示しています。

何を言いたいかと言うと、昨年の株価下落の要因はPERの低下によってもたらされたと言う事です。それは金利上昇、つまりFRBの金融引き締めによって起こりました。そして今PERは16倍~18倍のレンジで動いています。予想EPS230を乗ずるとS&P500で3680ポイント~4140ポイントとなります。金融引き締めも終盤に近付き、このレンジの株価は今は妥当な水準だと考えています。

では次のカタリストは何かというとEPSです。つまり企業利益と言うわけです。これが景気後退によって下がってくるならば株価のレンジも下にずれる可能性があるのです。例えば予想EPSが210まで下がればPERが16倍~18倍のレンジでもS&P500のレンジは3360ポイント~3780ポイントとなります。私はそれを懸念しています。12月の小売売上高は前月比‐1.1%と予想‐0.8%前回‐1.0%を下回りました。

クリスマスシーズンで小売売上高が前月比マイナスとなるのは米国ではかなりマズい状況を示しています。つまりモノが売れていない、小売りや製造業にの決算を懸念する材料となります。よって軟調な小売売上高は予想EPSの低下要因です。一方先週の新規失業保険申請件数は19.0万件と予想21.4万件前回20.5万件を下回り、引き続き労働市場が堅調なことを示しています。

これはPERの低下要因となります。つまりFRBの引き締め継続が推測されるからです。いずれにせよ、株価を構成するPERとEPSの2つの要因のうち、EPSが決算によって変わります。今月末にかけてGAFAMを含め大企業が決算を発表します。それを注意深く見守る必要があると考えているのです。もう一つの要因のPERについては、不確定要素となっています。

FRBとマーケットのコンセンサスの乖離が続いているからです。もしマーケットのコンセンサスの通り今年年末にかけて利下げがあるならばPERの水準も切り上がります。例えばPER20倍になったとしたら、S&P500は4600まで上昇することになります。しかしFRBは頑なに年内利下げはないと主張しているので、それが起こるどうかは今は分からないと考えています。

つまり、今相場見通しを弱気にして株式のエクスポージャーを最低限にしていますが、それを強気方向に変えるにはまだ暫く判断に時間が掛かるのだろうと推測しているのです。ただ先の事は分かりません、私はいつも通り淡々とした日々の積み重ねを繰り返すだけです。何か変化に対応するためには、その変化を見極めるために日々のルーチンワークを繰り返す必要があるのです。

今週もお疲れさまでした。年末に腰を痛めたのはもう治りましたが、今度は右肩が痛いです。多分四十肩と言うやつではないでしょうか。ヴォーカルレッスンの先生にも体力がないと言われ、そろそろ本当に運動を始めなければならないような気がしてきました。来週もよろしくお願いします。良い週末をお過ごしください。