おはようございます!週間ではダウ平均が0.12%高と小幅に反発した一方、S&P500が0.16%安、ナスダック総合が0.39%安とともに2週続落しました。
注目の8月CPIは前年同月比3.7%と予想3.6%前回3.2%を上回りました。若干予想を上回ったものも原油価格が足元で上昇している事を考慮すれば特にサプライズはありませんでした。一方コアは4.3%と予想4.3%と一致も前回4.7%を下回りました。此方は想定通り順調に鈍化しています。またスーパーコアと言われるサービス部門のインフレ率は前月比0.4%若干の高めを示しています。
これまで順調に鈍化してきたインフレ率ですが若干の踊り場に来たと言っても良いでしょう。ただ後述しますが、この原油高によるインフレ鈍化の低減は世界的な構造が変わって来た事に寄るものであるとも推論しています。その議論を前にもう一つの今週の注目点、ECBです。ECBでは金利引き上げ確率と据え置き確率が拮抗していました。まずは欧州を代表するドイツの製造業PMIが30台まで低下している事から景況感の悪化を懸念して利上げを見送る派。
若しくは未だインフレ率が5%を超える中、インフレにコミットする姿勢から利上げを推測する派、この二つの見方が拮抗していたのです。そして結果は利上げでした。ラガルド総裁は『インフレは依然として高すぎる』とし『利上げは目標へのコミットメントを強化するため』と発言しています。ユーロドルは景気後退を見て下落で反応しました。欧州はインフレを伴う景気後退、正にスタグフレーションリスクを孕んでいるように感じられます。
さて原油高によるインフレ鈍化の議論に戻ります。私は米国30年債利回りが2011年ぶりの高水準に達している事が重要だと考えています。基本事項として短い金利、例えば2年債のような金利は政策金利を色濃く反映しています。一方長くなればなるほど金利は①期待インフレ②景況感の因数です。つまり30年債利回りとはその二つそのものだと言えます。つまり10年ぶりに30年債利回りが高水準に達したという事は高金利、高成長の時代に戻ったと言えるのです。
それはリーマンショック前のBRICSが躍進した時代を意味します。その時代は資源高でした。今の原油が高い水準を付けているのもある意味合理的なのです。だから原油が下がらないのです。世界の構造が変化した理由は、一つはバラマキ、つまり迅速な財政政策、もう一つはグローバリズムの後退、と言えます。ただその理由が何であれ、此れからインフレ鈍化のペースが鈍る可能性が高い訳です。
それは利下げ時期の後ずれを示唆します。つまり現在株価が横ばいになった理由は、利下げ時期が想定より後ずれした事に寄ると考えています。ただし上昇相場の否定にはならないでしょう。いずれ利下げは行われるからです。また此処から考えられる事は利下げの余地が想定より無い可能性です。高インフレの時代が来るならば、リーマンショック後のゼロ金利時代のような低金利ではインフレが再燃します。
それを防ぐためには政策金利、つまりFF金利を高い水準でキープさせる必要があるのです。具体的には今までは2.5%程度と考えられていた中立金利が3.0%程度に上昇している可能性があります。そうなると少なくとも3.0%まではFF金利を下げられないだろうと推測できるのです。つまりこの株価の横ばいは①利下げの後ずれ②利下げ余地の低下、を見ていると考えています。
ただしいずれにせよ私は株価は今年後半から来年にかけて上昇していくと考えています。その根拠はS&P500の24年予想EPSが250、25年予想EPSが275と高成長を見ているからです。つまり前述の通り高成長、高金利の時代がやってくる可能性が高いと、マーケットが30年債利回りから見ているように、私もそのように推測しているのです。タイミングはまだ分かりませんが、株式のエクスポージャーを上げる時は近いのです。
今週もお疲れさまでした。今週は先週までの婚活に加え、就活を始めました。勿論この仕事は辞めませんが、委託で更に仕事を増やしたいと考えているからです。良い仕事にめぐり逢えればと考えています。来週もよろしくお願いします。良い週末をお過ごしください。