2023年1月1週振り返り(楽観的なマーケット)


おはようございます!週間ではダウ平均が483.36ドル高(+1.46%)と反発し、S&P500が1.45%高、ナスダック総合が0.98%高と、ともに5週ぶりに反発しました。

注目の12月雇用統計は、非農業部門雇用者数が22.3万人と予想20.0万人を上回るも前回25.6万人を下回りました。失業率は3.5%と予想3.7%前回3.6%を下回りました。平均時給は前年同月比4.6%と予想5.0%前回4.8%を下回りました。私の印象としては雇用は強くインフレ高進にとってはネガティブですが、マーケットは平均時給が下がったことをポジティブに受け取り、株価は発表後若干上げています。

12月ISM製造業景況指数は48.4と予想48.5前回49.0を下回り2か月連続で好不調の節目の50を割り込んでいます。今週最もサプライズだった12月ISM非製造業景況指数は49.6と予想55.0前回56.5を大幅に下回りネガティブ、2020年5月以来2年7か月ぶりの低水準でした。ISM非製造業景況指数発表後株価は大きく値を上げています。悪いニュースが良いものとしてと捉えられましたが、私は違和感を感じています。

FRBは雇用が堅調なことからタカ派を堅持する可能性が高いです。特に失業率が3.5%とFRBの今年の見通し4.6%を大きく下回っている事がネックです。FRBの考えでは、インフレ高進を止めるには雇用の鈍化が必要で、それが満たされない状況ではピボットは起こらないはずです。つまりISMで示された景況感の悪化はFRBのピボットを起こす可能性は低く、景況感の悪化にも関わらず利上げを続けると言う悪いサイクルが生まれると私は考えています。

しかしマーケットは楽観的でした。それはFRBを信任していると言っても良いでしょう。つまりFRBが12月に示したドットチャート5.00‐5.25%より低くターミナルレートを置き、年後半には利下げをすることを信じているのです。私は今の所、マーケットが考えるようになる可能性は低いと考えています。それは先ほど述べた通り雇用が堅調だからです。そもそもインフレは3つの要素に分解されます。

1つ目がモノの価格、2つ目が住宅価格、3つ目が賃金上昇率です。まず1つ目のモノの価格は十分下がり始めました。2つ目の住宅価格は足元低下が見られています。3つ目の賃金上昇率に関しては雇用が強いため上昇しています。私は、モノの価格と住宅価格の低下だけで十分インフレ率を2%に収める可能性はあると考えていますが、FRBは賃金上昇率を重要視しています。

その為、今のFRBのスタンスはいくら景況感が悪化しても、雇用が悪化しなければ利上げを進めると言うスタンスなのです。そして再三繰り返しますが失業率は3.5%と完全雇用をキープしています。此れは間違いなく将来へのインフレ圧力となってきます。となれば今回のISM非製造業景況指数が悪化したことにより、FRBが引き締めスタンスを緩和すると言うマーケットの目論見は、楽観的だと言えるのです。

確かに私は昨年12月29日に相場見通しを弱気に変更しています。だからISM非製造業景況指数後のマーケットの上昇に違和感を感じているのかもしれません。ただ結局FRBのピボットを信じるかどうかなのでしょうが、それはその時になって、つまりピボットが起こってからでも遅くないと考えています。ECBは意味が分からないほどのタカ派でした。BOJも意味不明の利上げをしました。

同じようにFRBがポリシーエラーを起こさないという保証はないのです。特にFRBは利上げ時期を遅らせてインフレを悪化させてしまったと言う自責があります。だからこそタカ派を堅持する可能性はあり得ると考えています。いずれにせよマーケットの反応からは楽観が見受けられます。それをFRBが修正する可能性は十分にあり得るのです。私はそれを警戒しています。

今週もお疲れさまでした。正月から腰を痛めてしまい、寝正月でした。そろそろバンドの合わせが近づいてきているので練習しなければと考えています。歌の練習は少しサボり気味です。来週もよろしくお願いします。良い週末をお過ごしください。