2022年6月2週振り返り(FOMCの注目点など)


おはようございます!週間ではダウ平均が1506.91ドル安(-4.58%)、S&P500が5.05%安、ナスダック総合が5.60%安とそろって大幅に2週続落しました。

5月CPIは前年同月比8.6%と予想8.3%前回8.3%を上回りました。インフレはピークアウトしたというマーケットの願望を見事に打ち砕いたのです。ただし私は例えインフレがピークアウトしていようが余り重要な事項だとは思っていません。重要なのはインフレ率の水準、つまり7%だろうが9%だろうがインフレ率が高すぎる事には変わりはないのです。そしてそのインフレ率の水準ではFRBは粛々と利上げを進めていくと考えています。

今週はECB政策金利発表がありました。7月1日にAPP、つまり債券購入を停止し更に7月9月に利上げをする事を示唆しました。個人的には9月の利上げ幅について25bps以上の利上げを示唆しており、かなりタカ派と言う印象でした。しかし通貨ユーロは下落しています。そこがユーロの難しい構造を表している理由だと考えています。つまりユーロは利上げによる景気後退懸念によって下落したのです。欧州と米国は違います。

何が違うかと言うと、欧州は沢山の国の集合体なのです。その中には強いドイツもありますが、イタリア、スペイン、つまりPIIGSのような財務的に弱い国も含まれています。そして利上げにより財務的に弱い国の国債利回りが上昇し、ファイナンスコストが高まってしまうのです。それを防ぐためのPEPP、APPでした。欧州の量的緩和の目的はドイツ国債に対するPIIGSの信用スプレッドの縮小だったのです。

その量的緩和が終わり、更に利上げとなると信用スプレッドは広がります。そしてそれが財務的に弱い国にダメージを与えるのです。そうなるとECBは更なる利上げが出来るのか疑問視され、だからユーロドルが下落しているのです。今回戦争が起こりエネルギー確保と言う意味で欧州が一番インフレが厳しい状況だと言う事は確かだと思います。しかし思ったようにインフレを低減させるために米国のように積極的に利上げが出来るかは微妙です。

話は変わり来週のFOMCの注目点です。一言で言えばドットチャートだと思います。今年の年末までにFF金利をどのくらいに持っていくのか、FRBメンバーがどういうコンセンサスを持っているのか、注目しています。年末のFF金利の個人的な予想としては2.75%と考えています。つまり現在が0.75%、6月、7月、9月に50bpsの利上げ、そして11月、12月に25bpsの利上げ、という想定です。ドットチャートはこれより若干ハト派で来ると考えています。

9月の利上げ幅については言及はないと思います。しかしFOMCでドットチャートが示すFF金利がそれについて言及しているのと同じです。前回3月のドットチャートは1.875%でした。インフレはさらに高進して状況は悪化しています。だから3月よりドットチャートが上を示すことは確実です。私はインフレ率が低減していく事を望んではいますが、それは簡単な道のりではないことも知っています。

今週もお疲れさまでした。今週は体験ボーカルレッスンを受けて来週から本格的にレッスン開始です。人に習う事は大切だと考えています。そして習う時重要なのがコミュニケーションです。先生としっかりと取っていきたいと考えています。来週もよろしくお願いします。良い週末をお過ごしください。