2022年5月4週振り返り(まだ道半ば)


おはようございます!週間ではダウ平均が1951.06ドル高(+6.24%)と9週ぶりに大幅反発し、S&P500が6.58%高、ナスダック総合が6.84%高とともに8週ぶりの大幅反発。週間上昇率はダウ平均とS&P500が2020年11月以来の大きさとなりました。

今週マーケットは流石に大きくリバウンドしました。4月PCEデフレーターは6.3%と予想6.2%を上回るも前回6.6%を下回りインフレ鈍化を示しています。FRBが景気後退を回避しつつインフレを抑える事に期待している訳です。しかし、経済指標は悪化しています。5月総合PMIは53.8と予想55.7前回56.0を大きく下回り、景況感の節目である50に近づいてきています。

つまり現状は何も変わっていない訳です。インフレ率はピークアウトしたとしても、粛々とFRBは中立金利以上にFF金利を引き上げていきます。中立金利が2.00%から2.50%だとすれば、中立金利まで早期に引き上げる為には、5月に続き6月7月、そして9月も50bpsの利上げが必要になります。いずれにせよFRBの引き締めは始まったばかりなのです。加えて来月からQTが始まります。個人的にはQTは劇薬だと考えています。

QTとはマネーサプライの減少を指します。つまり市場に供給する貨幣流通量を減らす効果があります。当然お金の量が減るので、利上げ以上に株式市場に対してネガティブに働く可能性が高いのです。つまり今回の株価上昇は、まだ利上げも道半ば、QTも始まっていない状況での買い戻しに過ぎないと考えています。昔話を少しすると、リーマンショックの時、私は運用会社でトレーダーをしていました。

市場の信用が収縮していく様をリアルに見たのは苦い思い出です。しかしリーマンショックが起こるまで、サブプライムローンの焦げ付きはそのずっとまえから騒がれていました。そしてパリバショックが起こり、ベアスターンズの救済があり、リーマンブラザーズが破綻したのです。何が言いたいかと言うと、今やっと世間でもインフレが騒がれ始めています。

今回またリーマンショックのような事は起きないと思いますが、市場が最悪を織り込むまで思った以上に時間が掛かるのです。繰り返します、まだインフレが騒がれて大して時間はたっていません。此れからFRBの真綿で首を締めるような利上げが続きます。それにマーケットは現状のレベルで耐えられるか、私はそうは思いません。まだまだ始まったばかりなのです。

今週もお疲れさまでした。今週末はバンドの録音撮影がありました。結果とても良いものが作れました。これもしっかりと仕事をして信頼を勝ち得ているから出来る事だと考えています。つまりバンドを続けるには仕事を今まで以上にしっかりと続ける覚悟が必要です。来週もよろしくお願いします。良い週末をお過ごしください。