おはようございます!週間ではダウ平均が2.14%安と7週続落し、S&P500が2.41%安、ナスダック総合が2.80%安とともに6週続落しました。
今週もマーケットは続落し、S&P500は一時節目の4000ポイントを下回りました。その要因は明らかにFRBの姿勢の変化によるものでした。CPI発表前日には複数のFRB高官のタカ派発言が目立ちました。米クリーブランド地区連銀のメスター総裁は向こう数回のFOMC50bpsの利上げを実施していくのは『完全に理にかなう』とし、インフレ率を引き下げるために金利を2.5%を超える水準まで引き上げる必要があるとの見方を示しました。
また『75bpsの利上げも排除しない』とも発言しています。更に『失業率がやや上昇し、あと1四半期マイナス成長もしくは低成長に陥る可能性があるが、インフレ率を引き下げるためには仕方がない』とインフレを抑制する為には景気を鈍化させる事も厭わない姿勢を見せたのです。その他ウォラーFRB理事、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁、リッチモンド地区連銀のバーキン総裁も同日同様にタカ派発言をしています。
そして4月CPIは8.3%と予想8.1%を上回るも前回8.5%を下回りました。マーケットは下に反応しましたが、私は単月のCPIの変化にはあまり関心がありません。インフレ率は明らかに高い水準、多少の変化があったとしてもFRBの利上げの姿勢は変わらないからです。それよりもFRBメンバーの発言の変化に注目しています。CPI発表後、アトランタ連銀のボスティック総裁はインフレが高止まりした場合、経済成長を抑制する水準にまで政策金利を引き上げることを支持する考えを示しました。
更に今後2-3回の50bpsの利上げを支持しています。此処はポイントです。何故なら6月7月に加え、9月まで50bpsの利上げをする事はマーケットは織り込んでいないからです。私もかなり驚きました。正に『聞いてないよ~』と言う訳です。更にパウエル議長もインフレ加速という最悪状況を避けるためにFRBが進める利上げで『多少の痛み』が生じることについて国民に理解を求めました。
『物価上昇率を2%に戻す過程には多少の痛みが含まれるが、最終的に見てわれわれがこの問題にうまく対処できない場合こそ、最悪の事態になる。』とインフレ抑制のための引き締めが経済を鈍化させるとハッキリ発言しています。今までは『経済は強い、利上げに耐えられる』と発言してきた訳で、そのニュアンスがかなり変わってきた事が分かるのです。此れもやはり『聞いてないよ~』でした。
つまり何が言いたいかと言うと、明らかに今まで言ってきた事から今週のFRB高官の発言はタカ派に乖離していると言う事です。それがマーケットが下がった理由です。今後も多少のリバウンドはあるでしょうが、少なくとも今はマーケットが下がったからと言って買い場とは思えません。どの水準まで、そしてどの位の期間で、FRBは利上げを行うのか注意深く見守る必要があります。
今週もお疲れさまでした。今週は上島竜兵さんがお亡くなりになりました。私は大きなショックを受けました。私の躁鬱病と言う病気は自殺率が非常に高いです。彼の死は他人事ではありません。私は恥をかいてでも生き抜きたいと思います。来週もよろしくお願いします。良い週末をお過ごしください。