2022年4月5週振り返り(景況感の悪化)


おはようございます!週間ではダウ平均が2.47%安と5週続落し、S&P500が3.27%安、ナスダック総合が3.93%安とともに4週続落しました。

米国1-3期四半期GDPは‐1.4%と予想1.1%前回6.9%を下回りました。中身については在庫や輸入により数値よりも悪くないとの解釈もありますが、それでもマイナス成長は事実。リセッションの足音は確実にやって来ています。またユーロドルは5年ぶりの安値、欧州の景況感が急速に悪化している事も伺えます。一方インフレ率は高止まり。PCEコアデフレーターは5.2%とインフレターゲットの2%を大きく上回っています。

つまり状況は悪化していると考えています。先週は成長への懐疑として、ドイツの景況感、英国の小売売上高、ハイテク企業の成長鈍化、を挙げましたがそれが全体感として表れてきているのです。そしてマーケットは不安定、個別の決算に振らされ、急落したら急騰するという、方向感は下方向なのでしょうが、簡単には落ちません。それは良い兆候ではないと考えます。

上昇相場の場合、ひたひたと上がって行きます。ボラティリティは低いのです。つまり少なくとも今は上昇相場ではないと言う事が言えます。その場合何をすべきかと言うと、ポートフォリオをディフェンシブにして下落に備えるしかありません。買い戻しに一喜一憂せず、冷静にファンダメンタルを分析する時期なのです。マクロ感では先述の通り確実に悪化しています。

更にミクロでも個別の決算を見ると、今まで安全とされてきたGAFAMでさえ決算を落とし始めました。特にアマゾンの成長鈍化は苦しいところです。アマゾンは成長鈍化と言うより成熟期に来ている可能性が高いです。つまり企業規模が大きくなりすぎてマクロの影響を大きく受けるようになったと言う事です。また先週の振り返りで書いた通り、ストリーミング、ネット広告、ゲームのような成長分野にも疑問が問われているのでしょう。

マクロ、ミクロでファンダメンタルが悪化しているのです。つまり少なくとも株は買いとは言えません。その原因はインフレ高進です。FRBはインフレ高進に対して後手に回りました。そのツケが回ってきています。次回FOMCでは50bpsの利上げとQT開始の示唆が行われると言われています。しかし問題はそこではありません。今年中に中立金利以上に引き上げるかどうかなのです。

そして私は中立金利以上に引き上げる必要があると考えます。そうなるとマーケットにはネガティブです。そもそも利上げとは景気が過熱しないようにブレーキを踏む作業です。ゆっくりとブレーキを踏めばスピード調整で長く景気回復を享受できますが、急ブレーキはマズい。景気を急速に悪化させる可能性が高いです。そもそも今供給が需要に追い付いていません。

それを利上げにより需要を減退させることによってインフレを抑えるわけで、それが急ならば景気に支援的とは少なくとも言えないのです。そしてまだ株価はそれを織り込んでいるとは言えないでしょう。まだ買い場は遠いと考えるのです。ただし買い場が何時かは分かりませんし、少なくとも今ではないと言う事が正しい解釈だと考えています。

今週もお疲れさまでした。サロンでバンドをやることになりました!課題曲はニルバーナのリチウムです。私はギターボーカルをやります。5月28日に録音することになりました。毎日練習が楽しいです。来週もよろしくお願いします。良い週末をお過ごしください。