2022年4月3週振り返り(バイ ザ ウェイ)


おはようございます!週間ではダウ平均が0.78%安と3週続落となり、S&P500が2.13%安、ナスダック総合が2.63%安とともに大幅に2週続落しました。

マーケットはインフレ指標に一喜一憂、3月CPIは前年同月比8.5%と予想8.4%前回7.9%を上回りました。しかしコアCPIは前月比0.3%と予想0.5%前回0.5%を下回り、インフレのピークアウトを示していると解釈されました。しかし3月PPIは11.2%と予想10.6%前回10.3%を大幅に上回り今後販売価格に転嫁される可能性を示唆しています。私は単月でのCPIの結果にあまり意味はないと感じています。

大勢はインフレ高進が進んでおり、FRBは利上げを進めるべきだからです。幾らインフレ高進がピークアウトしたとしても、インフレ率が自然に下がるわけではありません。FRBは粛々と利上げをしてインフレ率をインフレターゲットの2%へ戻すべきなのです。それはFRBも自覚しています。ブレイナード理事は次回50bpsの利上げに加え6月QT開始を示唆しています。他タカ派の急先鋒のブラード総裁は中立金利以上にFF金利を上げる必要性を訴えています。

その主張は至極当然で、中立金利はあくまで中立金利、緩和でも引き締めでもありません。インフレ率を落とすには中立金利以上に引き上げなければならないからです。ウォラー理事も『われわれは今年後半までに確実に中立水準を超えたいので、できるだけ早く中立水準に近づける必要がある』と述べました。つまりFRBの姿勢はインフレファイターであり、確実にこのインフレ率なら利上げをする訳で、単月のCPIの結果はあくまで参考値程度と考えています。

要するに株式市場は少し楽観的に思えます。4月初旬に一旦のピークをつけてから大分下がりました。S&P500で言うと4600ポイントレベルから4400ポイントレベルまで下がったのです。しかし私はまだ下げ余地があると考えています。FRBは景気に楽観的です。つまり景気後退を招かずに物価を低下させると述べています。しかし私はそれに関して懐疑的です。実際大手銀行株のJPMは貸倒引当金の計上から決算を落としています。

大手銀行株の決算は景気の大勢を見るうえで重要です。そしてその決算が振るわなかった事実は大きく受け止めるべきでしょう。しかしマーケットは下げ疲れたのか、一旦は下落トレンドが収まったようにも見えます。そして次の下落のきっかけは何かというとやはり来月のFOMCだと考えています。50bpsの利上げに加えQT開始の示唆、これは確実でしょう。実際にそれが起きた場合マーケットはポジティブに反応できるとは考えられません。

今週、カナダ中銀はG7で約20年ぶりの50bpsの利上げをしました。RBNZも50bpsの利上げをしました。韓国中銀も0.25%の利上げ、シンガポール中央銀行も引き締め、つまりグローバルでインフレに対応しているのです。では何故インフレが起こったかと言うと過剰なFRBによる流動性供給が原因でした。昨年10月私は警告しました。FRBはタカ派に転じないとスタグフレーションが起こると。そしてそれは実現しかけています。

カシュカリ総裁が『昨年、インフレは一時的と判断したが、これは誤りだった』ことを公式に認めました。今、FRBがやるべき事はインフレファイターとしてインフレに立ち向かうことです。中立金利以上に早くFF金利を上げることです。私はその姿勢が景気後退を招く可能性が高いと考えています。つまり株式相場には下落余地があると考えているのです。だから今のポートフォリオはMSCIコクサイ30%日本債券40%現金30%と弱気を維持しています。

今週もお疲れさまでした。今週はメンバーと会食をしました。丸の内ホテルのバーで葉巻を吸って、新丸ビルで食事という贅沢なひと時を過ごせました。やはり気の合う方と時間を過ごすのはとても貴重ですね。来週もよろしくお願いします。良い週末をお過ごしください。