おはようございます!週間ではナスダック総合が2.38%高、S&P500が1.55%高、ダウ平均が1.05%高と3指数がそろって2週続伸しました。
注目の1月雇用統計、その平均時給は5.7%と予想5.2%前回4.7%を大きく上回りました。これはFRBが警戒する賃金インフレが実際に起こっている事を示します。3月の利上げが確実視される中、今後のインフレデータ次第では更に利上げの幅とペースが加速する事が懸念されています。そもそも金融緩和後の利上げは健全なものとされています。金融緩和による相場上昇を金融相場と言いますが、金融相場の後は通常業績相場が起こります。
業績相場とは、FRBの利上げと共に株価が上昇して行く事を指します。つまり利上げとは、景気にブレーキを掛ける事により、逆に健全な経済の成長を促進する薬となるものなのです。しかし、今回は違う可能性、つまり業績相場が訪れない可能性が高くなってきました。つまりインフレを伴う景気後退、スタグフレーションが起こるかもしれないのです。それを確認するには日々のデータを見守る必要があります。
例えば私が注目しているのはソフトデータ、ISM製造業景況指数です。1月ISM製造業景況指数は57.6と予想57.5を上回るも前回58.8を下回りました。徐々に悪化して来ているという状況です。それは景況感そのものを示します。来月以降さらに悪化していくと、スタグフレーションの確度は高まります。つまり景況感が悪化し始めている中でも利上げをしなければいけないという状況が理解できるのです。通常利上げは経済成長を持続的にするための薬です。
しかし、その幅とペースが早ければ早いほどバッド・メディシンへと変化します。薬は調合を間違えると毒になるのです。そして今回はインフレ高進から利上げが株価にとって毒になる可能性が高いです。1月の株価下落は利上げ懸念からの長期金利上昇によるものが大きかったです。しかしこれからは、景況感の悪化から株価が下落する可能性が出てきていて、しかもその可能性は高まってきています。そしてそれはFRB以外の中央銀行の姿勢の変化からも伺えます。
今週BOEとECBが開催されました。BOEは0.25%の利上げと3月からのQTを発表しました。ECBは今までのハト派だったスタンスを急転換し今年中の利上げも否定しませんでした。つまりFRB以外の中央銀行もインフレをかなり警戒していることが分かります。インフレ高進がグローバルで起こっていると言えるのです。先進国がバッド・メディシンを景気に処方しなければならないのです。私は決めつける事は良くない事と考えています。
つまりスタグフレーションが絶対に起こるとは思っていません。しかしその可能性は極めて高いと感じています。だからこそ今は株式のエクスポージャーを下げ、ディフェンシブなポートフォリオに徹するべきと考えているのです。そしてデータを見守りながら、そのシナリオの確度を確かめていきます。ただ少なくとも今は株式の買い場ではない事は確かで、それが何時買いになるか、長い目で判断していきたいと考えています。
今週もお疲れ様でした。ようつべライブも慣れてきました。また原稿を書く作業が自分の頭の整理になって、とても役に立っています。これを続ければより人として高みに達することができると実感するのです。暫く継続します。来週も宜しくお願いします。良い週末をお過ごしください。