2022年12月1週振り返り(ソフトランディング)


おはようございます!週間では、ダウ平均が82.85ドル高(+0.24%)、S&P500が1.13%高、ナスダック総合が2.09%高とそろって2週続伸しました。

注目の11月雇用統計、非農業部門雇用者数は26.3万人と予想20.0万人を上回るも前回28.4万人を下回りました。また失業率は3.7%と予想3.7%前回3.7%と一致しています。更に平均時給は前年同月比5.1%と予想4.6%を上回るも前回5.6%を下回りました。思ったほど悪化していない、それが率直な感想です。そもそも何故雇用統計が重要かですが、このようなロジックのもとにあります。

まずそもそも我々が注視しなければならないのがインフレのピークアウトとその鈍化のペースです。そしてそのインフレは個人消費に掛かっています。雇用が安定的ならば、その分消費に回ります。つまり雇用の悪化はインフレの鈍化のペースに影響するのです。住宅指標やその他ISMなどのソフトデータはここ数か月著しく悪化の兆候を見せています。そして最後の砦が雇用なのです。

私は常に自分がパウエルFRB議長だったらどう考えるか、どう行動するか、どう発言するかを考えています。そして彼はデータ依存です。この雇用統計が表す現実は依然インフレの鈍化のペースは緩やかだろうと推測するでしょう。つまりまだ利上げのピークは遠いと考えるわけです。ただし、雇用以外のデータの悪化が顕著であることから、インフレ抑制のために思ったよりも雇用の悪化は必要ない可能性も考慮するでしょう。

つまりソフトランディングの可能性はまだ残っていると考えます。雇用の悪化はインフレ鈍化に対して必要係数ではあるが絶対係数かどうか、つまり失業率のターゲットが5%だったのが4.5%程度で済むかもしれません。今FF金利は3.75%で十分中立金利以上の金利水準に達しています。そして今月のFOMCで50bpsの利上げをし4.25%とするでしょう。そしてその効果がどの様にインフレ率に作用するか様子を見たいと考えるでしょう。

ただ現実には雇用の悪化のペースは思った以上に遅いです。つまりインフレの鈍化のペースは遅い可能性があります。しかしこれ以上早いペースでこの水準から利上げをしてしまうと、一気に経済が崩れてしまう可能性も高いのです。ですから手段としては、経済の悪化、インフレの鈍化を確認しながら緩いペースで利上げしていくと考えられます。勿論データ次第ですが来年2月の利上げは25bps程度に抑えられるかもしれません。

結局今後出てくるインフレ指標次第なのです。ただし、マーケットは十分それを織り込んだと考えています。6月のターミナルレートのコンセンサスは3.5%でした。更に来年前半の利下げまで織り込んでいたという状況です。それは今にしてみれば非現実的な想定でした。今のターミナルレートのコンセンサスは5%程度、来年前半の利下げは勿論織り込んでいません。

つまり十分将来を織り込んだマーケットの水準が今の水準ならば株価は10月でボトムを打ったと考えられるのです。私は10月14日から段階的に株式のエクスポージャーを上げて11月4日に強気、つまり60%まで上げています。そしてそれはこれから5年のボトムだった可能性が高いと考えています。あとはパウエル議長の腕を信じるだけです。ソフトランディングの可能性は十分あると考えます。

今週もお疲れさまでした。今週は久しぶりに旧友と食事をしました。VALUと言うコミュニティの友人です。もう5年も前になりました。知ってる方も少なくなってきていますが、私が世に出るきっかけとなった場所なので愛着があります。来週もよろしくお願いします。良い週末をお過ごしください。