2022年9月4週振り返り(見通しの変更詳細)


おはようございます!週間では、ダウ平均が4.00%安、S&P500が4.65%安、ナスダック総合が5.07%安とそろって大幅に2週続落。直近6週間で5週下落となりました。

注目のFOMC、FRBは予想通りFF金利を75bps利上げしました。またドットチャートは今年末4.25%、来年末4.5%を示しています。マーケットは来年末までの若干の利下げを織り込んでいたためネガティブに反応しています。またパウエル議長は『痛みなくインフレを退治する方法はない』と発言しており、今までのソフトランディング路線を完全に否定しました。私は健全な対応だと考えています。

中途半端に利下げ含みをすると、株は上がり資産効果が生まれてしまうからです。また毅然とした態度でインフレに対応する姿勢を見せないと、インフレ期待自体も上がってしまいます。ですから私の今回のFOMCの評価はかなり高いです。そして当然金利は上昇、2年債利回りは4%を上抜け、10年債利回りも3.7%に達しました。それは逆説的に言うと債券の魅力が高まってきたのです。

2年債利回りはFF金利を色濃く反映させます。しかし10年債利回りは複雑で、将来のインフレ期待と景況感の二つによって動きます。ここで私が注目したのが景況感の悪化です。ソフトランディング路線が否定されたとなると、リセッションが起こるシナリオが想定されます。そうなると10年債利回りは低下します。特に株価の急落が起きればそれは顕著です。そこで私は9月23日に相場見通しを変更し債券比率を上げました。

具体的に株式20%日本債券40%現金40%を株式20%日本債券60%現金20%に変更しました。基本的にリセッション時は債券比率を60%にします。しかし今回はインフレを伴う景気後退、つまりスタグフレーションです。この場合、株式も債券も下落します。ですから今までは債券比率40%と比率を少なめにしていました。しかし今後は株価の下落、若しくは急落に備えクッションともいえる債券比率を60%まで高めたいと考えたのです。

つまり今までは株式・債券両方が下落してきましたが、これからは分散投資が効くと想定しています。ただしいつも通り外債は投資対象になりません。為替リスクが大きすぎるからです。ですから投資対象は日本の債券の一般的なベンチマーク、Nomura-BPIに連動する投資信託が良いと考えます。ボラティリティは小さいですが、株式の急落時にはクッションとして役立ちます。

今後の見通しですが、10月後半の決算シーズンを睨んでいます。つまりフェデックスやフォードが示したような下方修正含みの決算が続き、株価が下落するならば株式のウェイトを上げます。ただし10%程度です。今回のスタグフレーションは長いと考えています。ですからゆっくりと買い進めていきたいと思っているのです。今の所今年はそれで打ち止めだとも考えています。

最後に日銀の為替介入について、私は起こるべきして起こった、良いタイミングだったと思いました。FOMCと日銀政策決定会合後というタイミングはリーズナブルだと考えた訳です。今回のFOMCを受け、マーケットはリセッションを織り込みました。つまり私が相場見通しを変更したように、長期金利は上昇しにくくなってきています。それは日米金利差の乖離を受けて上昇してきたドル円には朗報です。

つまりドル円はファンダメンタルではピークに達した可能性が高かったのです。しかし思惑からドル円は146円を付ける寸前まで上昇しました。そのタイミングでの為替介入は効きます。つまりドル円上昇に対してファンダメンタルの裏付けが乏しい状態になったそのタイミングでの為替介入だったのです。流石にドル円をロングしていたファンドはやり過ぎました。苦い薬になったと思います。

今週もお疲れさまでした。今週は久々にバンドの合わせがありました。今回は緊張感もなくリラックスして楽しめました。仲間と音を合わせるととても楽しいですね。来週もよろしくお願いします。良い週末をお過ごしください。