2022年9月1週振り返り(長期投資の基本事項)


おはようございます!週間では、ダウ平均が964.96ドル安(-2.99%)、S&P500が3.29%安、ナスダック総合が4.21%安とそろって3週続落となりました。

今週はジャクソンホールからの下落基調が続き大幅安で終えています。金曜の雇用統計で失業率が3.7%と予想3.5%前回3.5%より悪化したのを背景に金利は低下しましたが、週次では上昇基調で、特に2年債利回りが一時3.5%を記録しています。金利上昇を受け為替もドル高で、ドル円は140円台と1998年以来の高値を更新しました。ジャクソンホールでのパウエル議長の発言やその後のマーケットの動きに関して、個人的にはサプライズなく、パウエル議長は上がり過ぎた株式市場をしっかりと現実に戻したと考えています。

セクター別では週前半は、グロース株が長期金利の上昇により弱く、中盤以降は景気後退懸念から素材、エネルギーが弱くなった印象です。ただし木曜日から下落基調が和らいでいることもあり、下落ペースが速かったので短期的にはリバウンドかヨコヨコを想定しています。ただし長期目線で言えばまだまだ売りの序の口だと考えています。具体的にはグロース株にまだ下げ余地があるでしょう。

QTも始まり、金利に上昇圧力が強まっています。金曜日は雇用統計により一時的に低下した長期金利ですが、次期にまた上昇基調に戻るでしょう。そうなればグロース株には不利です。また、マーケットが景気後退を織り込めば素材セクターも売られる可能性が高いです。ただし、エネルギーは政治的にも動き的にも不安定であまりバイアスを掛けるセクターではない気がします。

話題は変わり、長期投資に関して重要な事項を記載します。パフォーマンスは何を買うかで30%、どの位買うかで70%変わってきます。つまり何を買うかで迷ってもパフォーマンスの30%しか寄与しません。それよりもどの位買うかでパフォーマンスの70%の影響を与えるならば、アセットアロケーションの重要性が分かると思います。具体的に株式のエクスポージャーを何%にするかが投資であり、その意思決定はマクロに従います。

ですから、まずサロンに入ったらマクロの基礎、FRBの仕組みについてしっかりと説明するわけです。つまりFRBはFF金利を調整することによって、景気にアクセルとブレーキをかけているという事です。そして今回はイレギュラーですが、リセッション→金融相場→業績相場→リセッション、というサイクルをまず知ってもらいます。ここでいう金融相場とはFRBが緩和的に金利を引き下げたことによる相場、そして業績相場とは金融相場に続くFRBがFF金利を引き上げつ景気回復が起こる相場です。

そしてそのFF金利がピークになった時、つまりこれ以上景気にブレーキをかけなくてよくなった時から景気後退のシグナルが出始めます。その後リセッションが起こりまた金融相場が起こるというのが景気循環の基本サイクルなのです。その景気循環の中で金融相場、業績相場、なら強気として株式のエクスポージャーを強気、つまり60%程度にするのです。対照的にリセッションが来る前には株式のエクスポージャーを30%へと減らすことが重要です。

何を買うか、はその後のプロセスです。基本はMSCIコクサイが良いと思います。何故なら米国・欧州に広く分散された指数だからです。そしてタイミングを見てナスダック、日経や新興国株をトッピングするイメージです。更に個別株も入れると面白いでしょう。その場合は3銘柄以内で1銘柄当たりポートフォリオに対する割合は5%程度が良いでしょう。あまり多く個別株を持っても意味はありません。何故なら多く買えば買うほど分散が効いてしまうからです。

また長期投資は資産の8~9割、割り当ててください。残りの1~2割は個別株を買うなり、短期トレードをするなり、ロングショートをするなり、リスクを取った好きな投資をしてみてください。その投資をすることによって、マーケットにより近くなると思います。長期投資だけに固執しないことも重要なのです。

今週もお疲れさまでした。今週も特に何も予定がなく、のんびりと過ごしています。退屈な日々ですが、感謝しながら生きています。来週もよろしくお願いします。良い週末をお過ごしください。