2022年7月3週振り返り(まだ緩和的)


おはようございます!週間では、ダウ平均が0.16%安、S&P500が0.93%安、ナスダック総合1.57%安とそろって反落しました。

注目の6月CPIですが前年同月比9.1%と予想8.8%前回8.6%を上回りました。それを受けマーケットでは今月のFOMCでの利上げ幅が100bpsになるとの憶測が出ています。マーケットは100bpsなら株は売り、75bpsなら株は買いのような雰囲気ですが、私は違和感を感じています。そもそも75bpsでもかなり早いペースですし、それが25bps上回ってもあまり大勢には影響がないと考えています。

本質的なことは、FF金利が未だ中立金利と言われる2.25%に達していないと言う現実なのです。今FF金利は1.50%です。それは中立金利以下であり、緩和的な水準、つまりインフレを抑制出来ない水準だという事が重要です。次回のFOMCで75bpsの利上げを行った場合でも中立金利の2.25%です。それは文字通りインフレを促進も抑制もしない水準です。100bpsの利上げでも2.50%、あまり変わりはありません。

インフレ率は9.1%なのです。2.50%のFF金利水準では整合性が取れません。つまり、2.50%でお金を借りケチャップを買えば1年で9.1%‐2.50%=6.6%利ザヤが取れます。此れは非常に緩和的と言えます。いち早くインフレ率<FF金利と言う水準に戻さなければなりません。FF金利が2.25%を上回るとインフレ抑制的な水準と言われています。つまりインフレ率は下がると言われる水準です。

今月のFOMCで75bpsの利上げを行ったとしてもやっと中立金利、次回のFOMCは9月です。少なくともそれまではインフレは劇的に改善しないでしょう。何を言いたいかと言うと、株はまだまだ買い場ではないと言う事です。インフレのピークアウトは株の買い場ではありません。そこから苦しみ、のたうち回る世界が待っています。FRBは粛々とインフレターゲットの2.0%を目指して利上げしていきます。

少なくともインフレ率が2.0%が見える水準までは株は買えないでしょう。今は9.1%なのです。まだまだ先が見えません。そしてその間にISMなどの指標は益々悪化して行くでしょう。それがスタグフレーションなのです。マーケットはまだまだ楽観的に思えます。私が昨年10月にスタグフレーションを言及してから9か月が経ちました。そしてそれは現実的なものとなってきています。

そしてそれが現実になるまで、もう少し時間が掛かりそうです。悲観で買い、楽観で売る、それが長期投資ならば、次の悲観を待つのも長期投資なのです。その時が何時なのかは分かりませんが、まだ今ではないと言う事は分かります。私はその時が来るまで、淡々とした日々の積み重ねを繰り返していきます。それだけが株価の反転のサインを見つける為の動作だからです。

今週もお疲れさまでした。今週はのんびりしていました。体調はあまりよくありません。少し精神の薬が効きすぎていて眠りすぎと肩が痛いのです。解決方法はないのでゆっくりしています。来週もよろしくお願いします。良い週末をお過ごしください。