2022年7月1週振り返り(グロース株は戻らない)


おはようございます!週間では、ダウ平均が1.28%安、S&P500が2.21%安、ナスダック総合が4.13%安とそろって反落しています。

ラガルドECB総裁はポルトガルのシントラで開催されたECB年次フォーラムで『低インフレの環境に戻るとは思わない』と発言しました。加えて『新型コロナウイルスのパンデミックと、われわれが今直面している地政学上の大規模な衝撃の結果として解き放たれた諸力があり、われわれの政策運営の状況と風景を変えていくだろう』との見方を示しています。これは非常に考えさせられる問題です。

何故ならインフレ圧力が恒常化すれば、実質金利は高止まりする可能性が高く、其れならばハイパーグロース株は暫くは戻らない可能性の方が高いからです。此れは長い話です。リーマンショックからコロナショックまで低インフレ、低金利、が恒常化していました。つまり金利が低い状態でもなかなかインフレ率が上がらなかったわけです。その結果として低金利がリスク資産へのマネー流入を後押しました。

例えば、ビットコイン、SPAC、ハイパーグロース株、このようにリスクが高い資産は低金利、若しくは緩和的な金融政策によって時代の寵児となりました。しかし世界がリーマンショック前のような高金利、高インフレの時代に戻るとなると、このようなリスク資産はもう暫くは戻らない可能性が高いのです。そもそもリーマンショック後、世界を後押ししたのはグローバリズムでした。

グローバリズムは言い換えれば、労働コストの低減を表しています。つまり新興国からの安価な労働力によって製品を安く作ることが出来るようになりました。しかし、今戦争が起こっています。それはグローバリズムの否定そのものです。そうなればグローバリズムは停滞し世界的にインフレ圧力が高まる事が言えます。加えて労働組合の躍進もインフレ圧力になります。スターバックス、アマゾン、このような企業に労働組合が誕生しました。

これは賃金上昇圧力となり、インフレ圧力に変換されます。更に財政政策、金融政策の迅速化もインフレ圧力です。リーマンショックの時、金融財政両政策は緩慢でした。しかしコロナショックの時の対応はとても迅速に行われました。この迅速な対応がインフレ圧力となる可能性はあります。このような理由から、インフレ圧力は恒常的なものになった可能性があるのです。つまりそれは実質金利が高止まる可能性を示唆しています。

繰り返します、此れは長い話です。今グロース株が買えないと言う話ではありません。此れからスタグフレーションが起こり、そしていずれ株の買い場が訪れます。その時何を買うかと言う話なのです。もし世界が高インフレ、そして高金利の時代に戻るならばハイパーグロース株は買えないのです。つまり指数としてナスダックはマーケットをアウトパフォームする可能性が低いと考えています。

今週もお疲れさまでした。今週はサロンの料金の値上げがあり、名寄せ等バックオフィス的な仕事でバタバタしています。早く移管が終わってスッキリしたいものです。来週もよろしくお願いします。良い週末をお過ごしください。