2022年6月3週振り返り(ヘブンズドア)


おはようございます!週間ではダウ平均が4.79%安、S&P500が5.79%安、ナスダック総合が4.78%安とそろって大幅に3週続落。ダウ平均は12週間で11週の下落となりました。

注目のFOMCでは政策金利を75bps利上げし、1.50%としました。ただ、事前にWSJからリークがありFOMC後はマーケットは比較的落ち着いた動きとなりました。ここで75bpsの利上げの意味を考えてみます。利上げをするとしても25bpsが通常です。その3回分の利上げを1回の会合ですると言う事は、それだけインフレ高進が深刻だと言う事が伺えます。

そもそも利上げ後のFF金利は1.50%であり、それは未だ中立金利の2.25%程度に届かず緩和的な水準です。つまりインフレ高進を防ぐ事は出来ないのです。FRBの意図としては中立金利以上にFF金利を上げなければ、インフレ高進が止まらないと考えていると言う事です。更に今年年末のドットチャートは3.375%と中立金利を優に超す水準でした。

要するに中立金利を1.00%以上、上回る水準までFF金利を持っていかなければインフレ高進は止まらないと考えている訳です。因みに3月時点での年末のドットチャートは1.875%でした。それだけインフレ高進がFRBの思った以上に進んでいると言う事が伺えます。繰り返します、インフレ高進は非常に深刻なのです。そういう意味ではまだ株の買い場は訪れないと考えています。

ただし、ポジティブに解釈もできます。此れだけのペースで利上げをすれば株の買い場は早まると言う考え方です。つまり緩慢な利上げのペースだった場合、それだけインフレ高進は長引きます。それよりは早いペースでの利上げの方が、インフレがより早く収まる可能性が高いのです。ただし、経済、若しくはマーケットへの下方圧力は強まります。

FRBはリセッションは訪れず、ソフトランディングになるとは言っています。しかし労働市場はある程度調整する必要がある等、矛盾する発言も述べています。結局利上げの本質は、旺盛な需要サイドを抑える、つまり景気にブレーキを掛ける訳で、そのブレーキが急なら経済がつんのめる可能性は高いのです。インフレを伴うリセッション、つまりスタグフレーションはもう訪れているのかもしれません。

スタグフレーションの際、具体的に注視しなければならないものは、より脆弱な市場です。イタリアを代表する南欧は利上げが始まっていないのは勿論、APPが終わっていないにもかかわらずドイツ債とのスプレッドが拡大しています。更にジャンク債も売られていて、リセッションによるデフォルト確率が上昇してることが分かります。加えて輸出比率の高い東アジア諸国にも懸念が生まれています。

こういう脆弱な所から、マーケットは崩れるのです。今は未だ危機が訪れる段階ではないとは考えています。しかしながら、いずれ何かが崩れる可能性はあります。それが何なのか、何時訪れるかは分かりませんが、そういう脆弱な市場はリセッション時注視する必要があると考えています。ただし何かを決めつけるのは良くない事です。先のことは誰だって分かりません。

今の指標、今のニュースから判断するしかないのです。つまりコロナが流行ってコロナショックが起きるとは株式が好調だった2020年1月の時点でも分かりませんでした。しかし2月コロナが深刻化したのを確認して株式を売っても遅くなかったのです。それと同様に今は少なくとも株は買いではないと考えています。いずれは株の買い場は来ますが、何時、どのような理由で買い場になるのかは分からないのです。

今週もお疲れさまでした。今週はバンドモードから一転仕事モードでした。やはりFOMCがあるとピリッとしますね、気持ち的に。あとは心苦しいですがサロンの料金を値上げすることにしました。バランスを取るための判断です。ご迷惑をお掛けします。来週もよろしくお願いします。良い週末をお過ごしください。