2022年6月1週振り返り(岸田首相の変化)


おはようございます!週間ではダウ平均が313.26ドル安(-0.94%)、S&P500が1.20%安、ナスダック総合が0.98%安とそろって反落しました。

米株は小休止、上にも下にもいかない相場でした。次のFOMCまでしばらくその傾向が続きそうです。その中で日本株は比較的堅調、米国長期金利の上昇によるドル円の上昇トレンドがサポートとなっています。また日本の政治にもポジティブな変化がみられています。新しい資本主義を掲げ、どちらかと言うと大きな政府による分配政策がメインとみられた岸田首相でしたが、方針を転換しました。

成長分野への人材移動を促進するために、転職やキャリアアップについてコンサルティングを受けられる態勢整備が必要との認識を示し、3年間4000億円規模の施策パッケージで能力開発や再就職、他社への移動を支援すると発表しています。日本の問題は労働生産性の低さです。それは人的資本の活用が上手くいっていない事を示します。それを政府として支援することは重要だと考えます。

しかし、生産性の向上へ向け、労働移動の促進、産業の新陳代謝実現、さらには貯蓄から投資への資本の流れは、既に言い尽くされています。この問題の本質は、労働市場の硬直性にあります。その問題を解決するには会社が社員を解雇しやすくしなければなりません。会社が社員を解雇しやすい環境にすることにより、人材がより適材適所となり、資本効率が上がります。ただ、日本では既得権益の抵抗が目に見えていて、実現可能性は極めて低いです。

それでも少しでも人材の流動化を目指すと言った岸田内閣のアナウンスメントは、組閣当初の現状の資本主義を否定し、再分配だけに配慮した政策からは変化の兆しが感じられるのです。つまり、岸田首相は変化できる首相だと言う事が言えます。個人的にはあのまま新しい資本主義を掲げ労働分配率だけを上げていく非現実的な政策を続けるならば外国資本は遠ざかっていたでしょう。

しかしこの変化によって、海外投資家からの印象はポジティブになると考えられます。ただし、安倍元首相でさえ成しえなかった構造改革を現時点で岸田首相が実現可能とは考え辛く、これから数年で彼が何をしていくかを見守る必要があります。いずれにせよ日本株は悪くないのかもしれません。PERも13倍程度とかなり低く割安感もあります。ここから更に売り込まれていく可能性は低いと考えます。

ただし、それは比較感であって、米株がこれから下がっていく前提では相対的には日本株はアウトパフォーム、つまり米株よりは下がらない程度のパフォーマンスしか出せないと思います。つまり積極的に株を買えない状況のなかわざわざ日本株を買う意味もないと言う事です。

今週もお疲れさまでした。バンドのヴォーカルをやる事になって、1ヵ月経ちました。一人で練習することに限界を感じレッスンを受けようと思っています。人に習う事は重要です。謙虚に学んでいきたいと思います。来週もよろしくお願いします。良い週末をお過ごしください。