2022年5月3週振り返り(ペイシェンス)


おはようございます!週間ではダウ平均が934.76ドル安(-2.90%)と1923年以来となる8週続落を記録。S&P500とナスダック総合もそれぞれ3.05%安、3.82%安となり、ともに7週続落しました。

4月6日に相場見通しを強気から弱気にして以来、マーケットは下がり続けています。始めはFRB高官のタカ派姿勢からの金利上昇による相場下落でした。しかしそれが今は景況感の悪化による相場下落に変わっています。言い換えればスタグフレーション懸念、つまりインフレを伴う景気後退の可能性の高まりがマーケットを苦しめているのです。そもそも私がスタグフレーションという言葉を使ったのは昨年10月5日でした。

2020年3月24日、コロナショックによりマーケットが急落した後のボトムの次の日、私は相場見通しを弱気から強気に変更しました。そして金融相場が始まり、当初は業績相場への移行を想定し5年は強気相場が続くと想定していました。しかし昨年になるとインフレ率が徐々に高進し始め、秋口には私の考えでは許容できない状況になっていました。そして前述の通りスタグフレーションリスクが高まったため私は相場見通しを弱気に変更したのです。

しかし相場は年末まで2か月上がり続けました。それはFRBがインフレを一時的と表現し続けたからです。私はFRBがインフレ対応に対して後手に回っていると、憤りを感じつつもそれも相場、今思うとバブルが起こっていた訳です。FRBが後手に回れば回るほど、株価は上昇しますが、後のインフレリスクは高まります。私は逆にスタグフレーションが起こる可能性が非常に高まっていると判断し、弱気を継続しました。

そして今年1月、相場が崩れ始めたのです。きっかけはFRBのタカ派転換、QEの前倒し、そしてQT、大幅な利上げ、それは金利上昇で反応しました。株価は金利7割業績3割、つまり長期金利は重要なファクターです。金利上昇により株価の割高なバリエーションが許容できなくなり、株価の下落が起こったのです。そして今、景況感の悪化が株式下落の要因と変化しました。

ウォルマート、ターゲットの決算はすこぶる悪かったです。インフレによるマージンの悪化、買い控え、が起こり始めています。5月フィラデルフィア連銀製造業景気指数は2.6と予想16.0前回17.6を大幅に下回りました。バーナンキ元FRB議長もスタグフレーション入りの可能性を言及しています。7か月半です、私がスタグフレーションの可能性に言及してから、実際にマーケットに織り込まれるまで。

それは、ペイシェンス、つまり忍耐強さが必要でした。信念を持って相場に接する事、意見を柔軟に変更する事、その矛盾するどちらもマーケットを見通すのには必要です。しかし明らかな足元のインフレ率の上昇はファクトでした。そしていずれFRBがそれに対処せざるを得ない事も予測できたのです。だから昨年10月5日に相場見通しを弱気にして以来、マーケットがそれこそ一時的に上がっても自信を持って弱気を継続できた理由です。

今週もお疲れさまでした。私は今とても幸せです。好きな仕事をして、趣味に付き合ってくれる仲間がいて。10年の暗闇の傷が癒されていくのが分かります。こんなに幸せで良いのかと怖くなる自分もいますが、謙虚に感謝を忘れず生きていければと思っています。来週もよろしくお願いします。良い週末をお過ごしください。