2022年4月4週振り返り(成長への懐疑)


おはようございます!週間ではダウ平均が1.86%安と4週続落、S&P500が2.75%安、ナスダック総合が3.83%安と3週続落しました。

週前半好調だった株式市場も木曜日のパウエル議長発言をきっかけに下落に転じました。長期金利の上昇を背景に特にハイテク株中心に売られています。それはいつも通りの日常、特別な事ではないようです。しかし、足元と言うよりは将来の景況感は着々と悪化しているように感じられます。ドイツ連邦銀行は『ドイツは、ロシア産エネルギー禁輸ならば、年内にリセッション入りの可能性』とリセッション入りを示唆。

また金曜発表された英小売売上高は予想以上に悪化しポンドルは下落しています。3月の小売売上高は予想前月比0.3%減に対し前月比1.4%減少しました。生活費の急騰で所得が目減りした上、4月に予定される増税とエネルギー価格の上昇を控えて消費者が支出を絞った事が要因です。グローバルマクロの景況感は確実に悪化しているのです。加えて個別株の動向も気になる所、ネットフリックスは加入者減により株価は35%下落しています。

ストリーミング事業に対しての懸念もありロクやウォルトディズニーも連れ安しました。エヌビディアもGPUの価格が下落しているのか3月の安値をブレイクし200ドルを割れました。加えてグーグル、メタ、も3月安値を伺う展開です。此処から言える事はライブストリーミング、ネット広告、ゲーム、などの成長企業への懐疑が生まれているという事でしょう。勿論先に挙げた長期金利の上昇がハイテク株のバリエーションを引き下げている事実はあります。

しかし、言いたいことは成長への懐疑であり、リセッション入りへの警告を示しているのです。その本質的な原因は利上げの加速でありQTです。まず利上げですが、FRBは5月FOMCで50bpsの利上げ、そして6月、更に7月も50bpsの利上げの可能性を示唆しています。それはまだマーケットに織り込まれているとは言えません。そしてQT、モルガンスタンレーはFRB、BOE、ECB、BOJのバランスシートが5月からの1年間で合計2兆2000億ドル縮小するとの推計を示しています。

QTとは劇薬です。その本質はマネーサプライの縮小であり、その方向性が重要なのです。グローバルで同時金融引き締め方向がこれから行われる訳で、先に挙げたドイツのリセッション懸念、英国の買い控え、更に成長株への懐疑と、その影響が具体的に見え始めたと言えるでしょう。つまり成長の鈍化、リセッション、若しくはその本質はスタグフレーションなのかもしれません。インフレを伴う景気後退がスタグフレーションと言うならば、それはもう目の前に来ている可能性があるのです。

40年ぶりのインフレ率、それに対処する中央銀行、私は40年前それを体験していません。しかし一つだけ言える事は、金融相場の後の業績相場は簡単にはやってこないだろうと言う事です。過度に悲観的に見る必要もないとは思いますが、少なくとも楽観的に景況感を判断できる状況ではありません。いつも通り、日々の指標を淡々と見ていく事が重要です。そして今は少なくとも強気にはなれませんが、何時また強気のタイミングが来るかじっくりとチャンスを伺うのです。

今週もお疲れさまでした。今週は上野でオフ会、焼き鳥を食べ、シガーバーで葉巻を楽しみました。メンバーと直接交流する場は、とても貴重ですね。皆さん忙しい中来て頂きありがとうございました。来週もよろしくお願いします。良い週末をお過ごしください。