2022年10月2週振り返り(休むも相場)


おはようございます!週間では、ダウ平均が1.99%高、S&P500が1.51%高となり、ナスダック総合も0.73%高とプラス圏で終了、そろって4週ぶりの反発となりました。

注目の9月雇用統計、非農業部門雇用者数は26.3万人と予想25.0万人を上回るも前回31.5万人を下回りました。失業率は3.5%と予想3.7%前回3.7%を下回りました。特に失業率の良化が目立ち、それはFRBの望む世界ではありません。インフレ鈍化の為には消費の鈍化が必要で、それは労働市場の緩みが必要なのです。マーケットは週初ISM製造業景況指数のネガティブサプライズにより利上げペースの鈍化を望んでいました。しかしそれは叶わぬ夢だったことに気づかされたのです。

今米国経済は雇用が好調でかつインフレ高進が根強いにも関わらず景況感がミクロでもマクロでも悪化しているといういびつな状況です。先ほど述べたISM製造業景況指数は50.9と好不調の節目の50をもう少しで割り込む水準まで落ちています。ミクロでもフェデックス、フォード、ナイキ、AMDと決算を下方修正する銘柄が目立ち始めました。しかしCPIは8.3%と高止まりしている状況です。これではFRBは利上げペース鈍化どころではなく、正しくスタグフレーションそのものが起こっていると言えます。

加えて、利上げの正当化はグローバルで景気に悪影響を与えます。米国自体に関してはまだマシですが、新興国は耐えきれるかどうかという状況になってきています。つまりドル高が問題になってくるでしょう。新興国にとってドル高は資金が流出しているという意味もありますが、2つの点で良くないです。一つは輸入物価上昇によるスタグフレーション、もう一つはドル建て債務の膨張です。このまま行くと、いずれ新興国のデフォルトが発生する可能性が高いです。

結局米国の利上げは米国だけの問題に留まらないのです。また米国だけでなく先進国各国共に日本以外は利上げをしています。グローバルに協調的に利上げしている状況はオーバーシュートのリスクを孕んでいるのです。しかし目の前のインフレ高進が収まらない限りは中央銀行は利上げするしかありません。とどのつまり定義の問題はありますがスタグフレーションが起こっていると言うのが私の考えです。だからこそマーケットは油断すれば利上げペースの鈍化を望みます。

そして最近ではFRB高官がそれを否定するという循環に陥っているのです。その本質はまだFF金利が緩和的な水準である可能性によるものと考えています。つまり中立金利は2.25%と言われていましたが、今の3.00%でも達していなく、マネーがまだ溢れている可能性があるのです。これは何を示しているかと言うとインフレの粘着性です。恒常性とも言えるでしょう。戦争に代表されるグローバリズムの否定などの要因がインフレ圧力を高めていると言ってもいいでしょう。

では株式市場は今後どうなるかですが、ここ1年でボトムを付けるとは考えています。しかしボトムをつけたとしても急上昇は期待できません。何故なら先ほど述べたインフレの恒常性により、景気が悪化しても十分利下げできない可能性が高いからです。ではどうするかと言えば、1年かけてゆっくりと株式のウェイトを上げていけばよいと考えています。今回はボトムを拾う必要性を感じないのです。想定する未来はゆっくりとした株式市場の回復、ならばゆっくりと買い進めるのがベストだと考えています。

今週もお疲れさまでした。今週はスナックに行ったり久しぶりにお気に入りのバーに行ったりと活動的でした。週末もフレンチを食べに行く予定です。美味しい食事は人生を豊かにさせますね。来週もよろしくお願いします。良い週末をお過ごしください。