2022年1月1週振り返り(マルチプル・コントラクション)


おはようございます!週間ではナスダック総合が4.53%安と大幅に2週続落し、S&P500は1.87%安と3週ぶりに反落。ダウ平均も0.29%安と小幅ながら3週ぶりの反落となりました。

12月雇用統計、非農業部門雇用者数は19.9万人と予想40.0万人前回24.9万人を下回りネガティブでした。しかし注目点は其処ではなく、まず失業率が3.9%と予想4.1%前回4.2%を下回ったことです。これはFRBの目指す完全雇用が達成されたと言う事と同意です。つまりもう一つの命題のインフレ率の安定だけをFRBは目指すべきだという事が言えるのです。

そのインフレ率を見る指標として、平均賃金は前月比0.6%と予想0.4%前回0.4%を上回りました。つまり懸念すべき賃金インフレが起こっている事が分かります。これは金融緊縮の必要性を訴えます。具体的には早期利上げと早期QTです。今週WSJでニック・ティミラオスがQTに関しての観測記事を出しました。そして長期金利は上昇し始めたのです。

その翌日FOMC議事要旨ではQTについてFRBが比較的早期に開始することを議論していることが分かりました。年初1.4%台だった長期金利は上昇して雇用統計後には1.8%を目指す展開になりました。株価は金利7割業績3割です。当然株式市場はネガティブな反応を示しました。私は1月5日相場見通しを弱気から更に弱気とし株式のエクスポージャーを30%から25%にしたのです。

それは勿論、長期金利が上昇トレンドになったからです。今回の金利上昇は以前の様な調整は起こらないと考えています。それはFRBのタカ派の方針からです。具体的に早期利上げと早期QTが理由です。金利は上がるか下がるかではなく、何時上がるかという状況でした。それが年初から起こったという訳です。QTに関しては私は予想していませんでした。

そもそもQTとは量的引き締めでありFRBのバランスシートを減少させていくものです。QTの本質はマネーサプライの減少です。それはインフレと戦うというよりは、株式市場を冷やす意味合いの方が強いと私は解釈しています。だから私はQTは暫くはないと考えていました。しかしFOMC議事要旨で早期QTが議題に上がっていたという事を知り驚いたのです。

それはマーケットも同じです。そして長期金利は上昇し、グロース株を中心に株式市場も下落しました。しかしまだS&P500のPERは22倍です。これは過去平均17倍程度よりも高い数値です。低金利ではそのバリエーションも説明されますが、金利が上昇すれば過去平均程度に戻る可能性が高いです。それは株価が20%強調整する可能性があると言えます。

私が特に懸念しているのが大型ハイテク株の調整です。エヌビディアは確かに良い会社ですが大型半導体企業がPER60倍で取引されている事に疑問が残ります。勿論マルチプル・エクスパンション、つまりEPSとPERどちらも拡大局面なら分かりますが、金利上昇から、もうそれは終わりました。となると25倍程度が常識の範囲内ではないかと考えるのです。

私は暫くゆっくりとした株式市場の下落トレンドを想定しています。どのくらいかかるかは私には分かりません。しかしポイントとなる指標はやはりインフレ率になります。インフレ率が3%台まで低下すれば株式は買えると考えているのです。その為には利上げが何回必要になるのかも分かりません。しかし少なくても今は株の買い場ではないと考えています。

今週もお疲れ様でした。今週も音楽を聴いたり、ゲームをしてダラダラと過ごした1週間でした。来週は多少用事があり外に出ると思います。来週もよろしくお願いします。良い週末をお過ごしください。