2021年8月2週振り返り(押し寄せるテーパリング)


おはようございます!週間ではダウ平均が0.87%高、S&P500が0.71%高とともに2週続伸し、ナスダック総合は0.09%安と反落。年初来ではダウ平均が16.04%高、S&P500が18.95%高、ナスダック総合が15.01%高となりました。

注目の7月CPIでしたが、コアCPIは前年同月比4.3%と予想4.3%前回4.3%と一致も前月比では0.3%と予想0.4%前回0.9%を下回る結果でした。マーケットはインフレ率の上昇ペースの鈍化と受け止め金利低下ドル安で反応しました。株価も基本的に好感して上昇して、S&P500は小幅ながら4日連続で史上最高値を更新しています。

また金曜日は為替が動きました。普段注目されない指標ですが、8月ミシガン大学消費者態度指数は70.2と予想81.2前回81.2を大きく下回り、長期金利が1.282%まで大幅低下、それを受けてドル安となりドル円は110.40円から109.60円まで80銭下落しています。ユーロドルも綺麗に反発、1.1800まで上昇しています。

財政政策では1兆ドルのインフラ投資法案が上院で可決され、更に3.5兆ドルの法案も上院で可決されていて株価への支援材料となりました。さて今月後半にはジャクソンホールがあります。昨年は期間平均インフレ率を採用するとの方針を発表し大きなサプライズがありました。今回もテーパリングの発表がある可能性もありますが、その確率は小さいと考えています。

FRBは雇用の回復の進捗を見てからテーパリングの時期とペースを判断したいと考えています。前回7月の雇用統計、非農業部門雇用者数は94.3万人と予想87.0万人前回93.8万人を上回る好結果でした。9月に発表される8月の雇用統計が同様の結果になれば、9月FOMCでテーパリングを発表すると予想しています。つまりジャクソンホールではテーパリングの具体的な言及はしないでしょう。

問題はテーパリングの開始時期とペースですが、今年後半から10ヵ月かけてと言うのが何となくですが、今の私の予想となっています。そして、それによる影響はあまりないだろうと考えています。テーパリングの話題が出始めたのが今年1月、そこからFRBは時間をかけて市場と対話をしてきました。ですから、今回はテーパータントラム(癇癪)のような事は起きないと考えています。

テーパリングの影響で重要なのは株価ではなく長期金利への影響です。2013年のテーパリング発表時では長期金利が急上昇しました。長期金利が上昇すると、企業の借り入れコスト、個人の住宅ローン金利、へ悪影響を及ぼします。基本的には長期金利は低い方が経済活動へ支援的なのです。ですから経済の安定のためには急激な長期金利の上昇は避けたい訳です。

FRBの辛抱強いテーパリングへの言及はその為の地ならしでした。そして機は熟したと思います。9月にテーパリングの発表がされてもマーケットにはサプライズとならないでしょう。そしてこれからのマーケット全体感としては、ピーク感が感じられてはいます。先週言及したようなつまらない相場が続くと考えています。

今週もお疲れ様でした。今週は引きこもり、ウーバーイーツを十分堪能しました。来週は遂にワクチンです。やっと一回目、先はまだまだ長いです。来週も宜しくお願いします。良い週末をお過ごしください。