2021年6月3週振り返り(ニュースを読み解く・人の心を知る)


おはようございます!週間ではダウ平均が3.45%安と2週続落。下落率は昨年10月以来の大きさとなりました。S&P500は1.91%安と4週ぶりに反落し、ナスダック総合も0.28%安と5週ぶりに反落しました。

今週は何といってもFOMC、パウエル議長はタカ派発言、株安ドル高になりました。私は直前にそうなると感じ、金利感応度が高いシクリカル通貨の豪ドル米ドルを夕方に0.77000でショートしました。そして16日深夜午前3時、マーケットは動きました。豪ドル米ドルは0.76000近辺まで下落したのです。

何故そのような推測が可能だったか説明します。そもそも私はドットチャートが3月の2023年末まで利上げなしから、多少は前倒しになると考えていました。それはインフレの高進によるものです。それは以下の記事でも述べていて、マーケットのコンセンサスも取れていたと思います。

『今週のFOMC、インフレ高進で利上げ予想時期前倒しも』

https://jp.wsj.com/articles/fed-officials-could-pencil-in-earlier-rate-increase-at-meeting-11623698590

テーパリングに関しては『時期尚早』と前回と同じ文言を繰り返すことを、またインフレに関しても『一時的』であると述べると、予想していました。しかしFOMC当日私は考え方を改め始めました。それは2つのニュースによるものです。先ず一つ目は下記のニュース。

『米金融当局、債券購入テーパリングで予備的な議論開始も-FOMCで』

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-06-15/QUPP8XT0AFBB01?utm_medium=social&utm_content=japan&cmpid%3D=socialflow-twitter-japan&utm_source=twitter&utm_campaign=socialflow-organic

これにより、テーパリングに関してのコンセンサスが『時期尚早』からどうなるか分からない、となりました。このニュースを見て私は、インフレがテーマになると考えたのです。要するに5月のCPIが5%を超える中、FRBはインフレを許容できなくなってきていると考えたのです。その考えは次の記事で更に確信を持つようになりました。

『FRBの2大使命、いずれも未達リスク高まる』

https://jp.wsj.com/articles/risks-rise-to-both-the-feds-inflation-and-employment-goals-11623824113

注目は最後の文面の『FRBは2大使命のうち、雇用面を特に懸念している姿勢を公然と示してきたため、物価面はあまり重視していないという誤った印象を与えてしまったのかもしれない。FRBが今週からそうした誤解の解消に取り組み始めると考えておいた方がよさそうだ。』です。

此処から私はFRBがタカ派発言をするという確信を持てました。つまり、インフレ率を重視していないという姿勢の堅持は、今後の金融政策運営の柔軟性を損ねると考えたわけです。それならば、パウエル議長はこのタイミングでFF金利の引き上げの前倒し、テーパリングに関して議論の開始、そしてインフレ率についての言及をすると推測できました。

これがニュースを読み解くと言う事です。更に重要なことは自分がパウエル議長だったら、どのような行動をとるか常に考える事です。今回の事もそうですが、例えばFRBはマイナス金利やYCCを採用しませんでした。何故採用しなかったかは割愛しますが、彼はメリット、デメリットを考えていたわけです。

そのメリット、デメリットを自分で考え、自分だったら今採用するか、常に考えるのが、FEDウォッチへの近道です。自分がパウエル議長だったら、世界経済の為にどういう選択肢をするか、私は常に考えています。それが真のFEDウォッチャーだと私は思います。

今週もお疲れ様でした。来週は非常事態宣言が明けます。多少は外食に行きたいと考えています。勿論油断はしないように気を引き締めて行きます。来週も宜しくお願いします。良い週末をお過ごしください。