2021年1月2週振り返り(明確な分岐点)


おはようございます!週間ではダウ平均が1.61%高、S&P500が1.83%高、ナスダック総合が2.43%高とそろって上昇。ダウ平均とナスダック総合が4週続伸し、S&P500が2週続伸となりました。

マーケットは明確な分岐点に達しました。それは長期金利、つまり米国10年国債利回りが1%を超えたという事です。それは民主党が、大統領、上院、下院、を制しブルーウェーブが達成された事により起こりました。長期金利の勢いは止まらず金曜日一時1.124%まで上昇しています。

それは、長い目で見て、景気の回復を織り込んだとも説明されます。理由が何であれ、長期金利の変化は景況感を表すからです。それはバイデン新政権による、追加経済対策の期待によるものが大きいでしょう。一つだけ言えること、株は売りではありません。

マクロに移ります。12月ISM製造業景況指数は60.7と予想56.5前回57.5を大幅に上回りました。12月ISM非製造業景況指数は57.2と予想54.6前回55.9を上回りました。一方12月非農業部門雇用者数は-14万人と予想7.1万人前回33.6万人を大幅に下回りました。

此処で言えることは、足元の景況感は悪くない、しかし雇用の回復にはブレーキが踏まれているという事です。それはFRBによる長期のゼロ金利政策が肯定されるという事でもあります。つまり金融相場がより長く続くという事に置き換えられます。FRBの命題の一つは雇用の最大化だからです。

コロナ前から未だ1000万人の雇用が失われた状態です。その状態に戻すには月20万人の雇用が回復したとしても50ヵ月、つまり4年以上かかるという事が言えます。その間FRBはゼロ金利を継続するでしょう。それは緩和的な金融政策が、非常に非常に長く続くことを意味します。

それは株価に支援的です。その間、株価はじわりじわりと堅調に推移していくと考えています。ただセクターには注意が必要です。所謂ハイパーグロース株は金利上昇圧力がかかり、マーケットをアンダーパフォームする可能性が大きいです。逆にこれから良い銘柄はシクリカル銘柄だと考えます。

まずマクロで考えると、中国の回復が顕著です。そして中国の株価指数CSI300指数は2015年のバブルの高値を抜けてきています。それはBRICSの再来とも言えるでしょう。つまり中国に輸出している関連銘柄、例えばリオティント、ヴァーレ、コマツ、キャタピラー、日本郵船、商船三井、などが有利だという事です。

また長期金利の上昇を織り込むなら、JPMなどの銀行株のパフォーマンスも上がってきます。いずれにせよ、バリュー株が注目されると考えています。それは昨年の11月から述べている事と同じです。さらにパッケージで言うと、新興国と日本株も良いでしょう。

新興国に関してはドイツのPMIが2018年12月以来50を越した後の昨年8月にポートフォリオの組み入れを示唆しています。また日本株は昨年11月にポートフォリオの組み入れを示唆しました。日本株が良い理由はまず、グローバリズム回帰、つまりバイデン新政権誕生が大きな理由です。

グローバリズム回帰は、ヒト、モノ、カネ、サービスの参入障壁が下がることを意味しています。これは輸出比率の高い日経には非常に有利です。また4-6期最悪だった決算が7-9期急回復したことも支援材料です。また、中国に対する輸出比率が高いという事も有利と言えるでしょう。

マーケット全体で考えれば、いずれにせよ、今後は多少の押しは来るかもしれませんが、それでも株は売りではありません。今後長く続く金融相場、そしてその後の業績相場が終わるまでは、じわりじわりと上昇相場が続くのです。

今週もお疲れ様でした。関東では非常事態宣言が発令され、丁度少人数の会食の予定だったんですが、残念ながら中止になりました。まあこういう時期、多少は我慢しなければなりませんね。来週も宜しくお願いします。良い週末をお過ごしください。