2021年3月4週振り返り(セル ザ 日本株)


おはようございます!週間ではダウ平均が1.36%高、S&P500が1.57%高と反発、ナスダック総合は0.58%安と2週続落。年初来ではダウ平均が8.06%高、S&P500が5.82%高、ナスダック総合が1.94%高となりました。

私は3月19日、3月24日と久しぶりに相場見通しを変更しました。その内容は、日本株のウェイトを落とす、キャッシュ比率を上げるというものでした。推奨ポートフォリオはMSCIコクサイ40%新興国10%日本債券30%現金20%となっています。今回はその見通しについて詳しく解説していきたいと思います。

まず株式比率を50%まで落とした理由です。株式比率は強気なら50~70%の間を取ります。つまり強気の中でギリギリまでキャッシュ比率を上げたという事です。それは何故かと言うと各国中央銀行の姿勢です。FRBは長期金利の上昇を抑制するスタンスを取らないと明確に発言しています。

またSLRを延長しない事を決めました。これも長期金利の上昇に寄与します。これが何を意図しているかと言うと、私の解釈では株価の上昇を抑制しバブルを防いでいる可能性があると考えています。ECBのように長期金利を抑制した場合、金利低下に寄りナスダックを中心に株価は上昇します。

FRBはそれを意図していないと考えられるわけです。つまりFRBは過度な株価上昇を望んでいないという訳です。中銀に逆らう事は出来ません。ですから私はキャッシュ比率を上げ様子見をするという判断をしました。見通しですが、マーケット全体は上値が重いか調整という事を私は考えています。

次にどれを落とすかです。もともと1月5日時点での推奨ポートフォリオはMSCIコクサイ34%日経23%MSCIエマ13%日本債券30%でした。それをMSCIコクサイ40%新興国10%日本債券30%現金20%にしました。此処での変化は主に日経を全て落としたという事です。何故日経をすべて落としたかは日銀の姿勢です。

日銀はその政策決定会合で、YCCに関して10年国債利回りの変動幅を0.00%上下0.20%から0.25%へ拡大しています。これは金利上昇局面では明らかにテーパリングです。またETFの購入額も年間6兆円目途を外しました。これもテーパリングと言えるでしょう。つまり日銀は緩和政策を縮小を示唆したわけです。

これは明らかに失策です。またそもそも日本株のウェイトを上げた大きな理由はトランプ前大統領が進めたポピュリズム、ナショナリズムからのバイデン大統領へのグローバリズム回帰への期待です。しかし、25日の正式記者会見でバイデン大統領はハッキリと『中国が米国を抜き、世界最強の国になることを阻止する』と言っています。

また新疆ウイグル自治区に関して米国だけでなく欧州も中国に対して制裁を行いました。つまりグローバリズム回帰の動きというよりも欧米対中露対立という構図になってきました。これは明らかに輸出比率が高い国に対してネガティブです。よって日本株のウェイトを0まで落としたという事です。

これは新興国、特に中国についてもネガティブです。現状新興国を落とす段階まで来ては居ませんが、今後の米中関係については注視する必要があると考えています。次に債券比率を上げなかった理由ですが、債券は基本株式が急落すると上昇するクッションの役割をします。つまりポートフォリオに組み入れる意味はあります。

しかし、債券利回りが上昇(価格は下落)する見込みがあり、更に金利自体が低い水準にある中、ポートフォリオの中に債券を入れる意義が薄れてきています。ですから今回は債券30%を維持しつつ現金20%を組み入れるというマネジメントをしました。その方がポートフォリオのバランスが良いと判断したからです。

最後にMSCIコクサイの組み入れ比率を更にを上げています。MSCIコクサイは欧米に時価総額で広く分散された指数です。これはマーケットβを取っているといっても過言ではないでしょう。つまりαを取っていないわけです。更に地域でも分散されたとても優れた指数です。今はαを取る時期ではないと考えています。

つまりMSCIコクサイはマーケットリスクだけ取るもので、逆にナスダック、つまりハイテクグロース株に寄せるような時期ではないという事が言える訳です。更にマーケットリスク(株式比率)もポートフォリオの50%として様子見が良いと判断しています。またいずれリスクを取る時期が来ます。それまでは今のポートフォリオがベストだと考えています。

今週もお疲れ様でした。今週は非常事態宣言で行けなかった河豚を食べに行きました。やっぱり河豚は最高に美味しいですね!来週も宜しくお願い致します。良い週末をお過ごしください。